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記事2002年1月23日 号 (1面) 
生徒収容比率公私1対1に
構造改革に向け民営化提言
自民党静岡県連
 自由民主党静岡県支部連合会(以下、自民党県連)は、一月八日、平成十四年度予算に絡んで、石川嘉延知事に行財政改革に関する「提言」を提出した。
 国の聖域なき構造改革に呼応して、民間でできることはできるだけ民間に任せる、受益と負担の関係を明確にするなどの視点に立って抜本的な構造改革を求めたもの。この中で自民党県連は、現在二対一となっている公私立高校の生徒収容比率を、生徒減少に合わせて公立高校と私立高校の生徒収容比率を一対一にするとともに、公私間の授業料等納付金格差についても是正策の実施を申し入れた。
 こうした公私生徒収容比率の改善、とりわけ公私比率を対等とする改善要請は、全国的にほとんど例がなく、これまでにごく一部の自治体で行われたくらいだ。自民党県連の私立学校に係る内容は、提言に具体的に書かれたものではなく、当日、知事を訪ねた自民党県連の天野一幹事長、中澤通訓政調会長らが口頭で伝えたもの。
 このことが報道されると、私学関係者は戸惑いながらも歓迎の意を明らかにした。今後は、提言した自民党県連や県当局とも話し合い、実現に向け具体策の検討を進めていく予定。ただし県内では公立志向もなお根強いことから、この提言に関する県民意識なども見極めながら最善策を模索していく考えだ。
 一方、教育費の公私間格差是正に関しては、私立高校に生徒を通わせている保護者の教育費負担軽減補助(直接助成)などの検討も行われる見通しだ。
 現在、高校教育は、出生率の低下から先の見えない生徒減少期を迎えており、それに合わせて高校教育の再編が大きな課題となっている。小泉総理の諮問機関である「経済財政諮問会議」は、昨年六月二十一日に公表した「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」(いわゆる“骨太の方針”)の中で「民間でできることはできるだけ民間に委ねる」を基本方針の一つに掲げ、教育など従来主として公的ないしは非営利の主体によって供給されてきた分野に競争原理を導入する、などとしている。今回の自民党県連の提言でも高校教育のほか、研修所、芸術文化活動、企業融資、利用施設、職員住宅などで民営化の推進が必要と指摘している。
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