こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2002年1月23日号二ュース >> VIEW

記事2002年1月23日 号 (7面) 
新校長インタビュー (43) ―― 桐朋中学校・高等学校
校長 小柳 敏志氏
一貫して人間教育
豊かな心、高い知性の育成


 文教地区国立市の中心部に位置し、緑豊かな環境に恵まれている桐朋中学校・高等学校(小柳敏志校長)。昨年創立六十周年を迎えたが、一貫して貫いてきたのが人間教育だ。
 豊かな心と高い知性を持つ創造的人間を育成する人間教育をベースに、「(1)自主(2)敬愛(3)勤労」を教育目標に掲げている。
 同校における「自主」とは「自由のことであり、“桐朋における自由”とは、(1)自分の力で立つこと(2)自分で考え判断すること(3)その判断の下に行動できる能力を意味します。つまり、自分の頭で考え、判断し、行動し、自分のとった行動に対して責任を持つということです。目指す人間像は自立した人間ということです」(小柳校長)。
 同校では、この自主という基本的な姿勢を受け継ぐ一方で、新しい時代に対応した生き方のできる“スケールの大きい人間”を求めている。
 具体的には、小柳校長は「自分を大切にするとともに、他者を生かす生き方であり、柔軟な発想を身につけて、地球的視野に立ち、さまざまに条件の異なる人々と手を携えて生きるために環境と人間を真に尊重してほしい」と期待をかける。
 カリキュラムでは中学高校六年間を通じて、中等教育で必要とされる学習を総合的にバランスよく組んでいる。中学では総合的学習に早くから取り組んできたことも特色の一つだ。その中で、夏休みの課題の自由研究は一年生から三年生まで全員が毎年テーマ選びから作品の完成に至るまで主体的に取り組み、大きな成果を上げている。高校では各人の志望や適性が生かせるように、必修科目と選択科目がバランスよく工夫され置かれている。
 同校では特別活動としてのクラブ活動を、人間性を養い、自己を高める大切な教育の場として位置付け「大いに奨励し、力を注いでいる。その成果も出てきている」(小柳校長)。
 特にバスケットボールは最近五年間では、全国大会出場をはじめ、都大会二位、関東大会三位という成績を残している。
 小柳校長は、桐朋生の特徴として、柔軟な発想、人間くささ、面倒見のよさを挙げた。何よりも生徒一人ひとりの自主性を重んずる校風の下で、生徒たちは勉強はもちろん、学校行事やクラブ活動などに生き生きと明るく意欲的に取り組んでいる。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞