こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2002年1月23日号二ュース >> VIEW

記事2002年1月23日 号 (8面) 
専修学校14.5%の増額
平成14年度専修学校 総額32億3800円 文部科学省
社会人のキャリアアップ教育 子ども放課後・週末活動等支援
新規事業
 平成十四年度文部科学省の専修学校関係予算案が決まった。総額で三十二億三千八百九十五万八千円となった。前年度と比べて、四億九百四十万八千円の増額となり、前年度比で一四・五%増と大幅に伸びた。このうち、新規予算は「専修学校社会人キャリアアップ教育推進事業」が四億百八十一万八千円計上された。そのほか、「専修学校ITフロンティア教育推進事業」「私立学校施設整備費補助金」「私立大学等研究設備整備費補助金」が拡充補助された。


「専修学校社会人キャリアアップ教育推進事業」(新規)

 専修学校と産業界が連携し、個々の職種に応じた専門的能力の育成を図るため、キャリアアップのための先導的な教育プログラム開発を推進する事業で、四億百八十一万八千円が計上された。
 失業率の悪化による厳しい雇用情勢の中で、離職者が誇りと生きがいを持って専修学校で再就職に向けてキャリアアップのために学ぶ仕組みをつくる。そのために実践的な職業教育・専門的な技術教育についてノウハウを持つ専修学校と産業界とが連携し、地域の実情に応じた社会人の職業能力の開発の機会を拡大するのが狙いだ。
 事業を行うに当たっては、文部科学省内に異分野の専修学校、行政関係者、産業界関係者、および学識経験者からなる「社会人キャリアアップ企画委員会」を設置、教育プログラムの研究開発事業を募集・選考し、その成果を評価などする。
 また、求人と求職者のズレである、いわゆる雇用のミスマッチを解消するため、複数分野の専修学校が関連する産業界等関係諸機関と「専修学校社会人キャリアアップ教育推進委員会」を組織し、地域での組織的な連携方策を協議するとともに、社会人や企業の実態調査などを行い、先導的な教育プログラム開発(カリキュラム、教材等)を推進する。
 

「子ども放課後・週末活動等支援事業」(新規)

 この事業に十億九千百万円を計上、モデルメニュー事業として、「専修学校子どもウィークエンドスクール事業」を創設した。
 平成十四年度から実施される完全学校週五日制などに対応して、地域で子供を育てる環境を充実させるため、地域の教育力の活性化に向けた都道府県における推進体制の整備などを図るのが目的。
 事業ではすべての都道府県に幅広い関係者で組織する「地域教育力・体験活動推進協議会」を設置し、地域の教育力活性化に向けた生涯学習施策にかかわる企画立案・連絡調整の実施、市町村に設置する地域教育力・体験活動推進協議会への指導・助言、政策評価等にかかわる総合的な推進体制を整備する。
 地域教育力活性化等モデル事業として、専門的な技術を活用したロボットづくり、料理教室など、地域の専修学校等の支援による「専修学校子どもウィークエンドスクール事業」を実施する。


「専修学校ITフロンティア教育推進事業」(拡充)

ITフロンティア教育推進事業
ITスペシャリスト、起業家養成

 十三年度設けられたこの事業には、(1)専修学校ITスペシャリスト養成推進事業に三億八千七百九十八万八千円、(2)専修学校IT起業家育成推進事業に一億四千三百五十万五千円が計上された。合わせて五億三千百四十九万三千円が補助された。前年度と比べて、二五・二%の増となった。
 この事業では産業界との連携を基盤としつつ、専修学校を情報化社会に即応した人材育成のための開拓拠点として体制を整備するための施策を推進する。
 (1)専修学校ITスペシャリスト養成推進事業は、IT分野に即応したスペシャリストを育成するために、企業の第一線で活躍する社会人のためのカリキュラムの開発や実践的講座の開設などの事業を推進する。十三年度では九都府県十四校がこの事業に当たった(表)。
 (2)専修学校IT起業家育成推進事業は、新しい産業を創出する担い手となる起業家精神・経営マインドを有する人材の育成を図るための教育開発などの事業を推進する。十三年度では六都県六校がこの事業に当たった(表)。


「私立学校施設整備費補助金」(拡充)

大型装置整備学内LANなど

 専修学校大型教育装置整備費にかかわる経費として、三億二千五百万円が補助された。前年度と比べると、八・三%の伸び率。
 これは専修学校・専門課程の教育装置や学内のLAN装置の整備費について補助される。
 「私立大学等研究設備整備費等補助金」(拡充)
 専修学校・専門課程の情報処理関係の設備整備にかかわる補助で、前年度比で四・六%増の九億五千五百五十万円補助された。
 「専修学校教育高度化等推進事業」に一億七千六百五万円が補助された。これには、(1)教育内容等を高度化するための開発研究を専修学校に委託する専修学校職業教育高度化開発研究と、(2)産学連携による専修学校高度職業人育成総合プロジェクトが含まれている。
 そのほか、専修学校・専門課程での国費留学生の計画的受け入れを整備するための「国費外国人留学制度」にかかわる補助として、八億六百七十一万円などが計上された。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞