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記事2003年10月13日 1908号 (3面) 
新校長インタビュー (87) ―― 成蹊中学・高等学校
校長 谷 正紀氏
中学で個人の資質を発見
高校では全人教育を


  成蹊中学・高等学校(東京都武蔵野市)は樹齢七十年以上たつ、けやき並木に囲まれた閑静な武蔵野に位置している。同校の校長に三菱自動車工業株式会社・前代表取締役副社長の谷正紀氏が六月二十五日、就任した。
 谷校長はおよそ三十七年間、産業界に携わり、グローバル化、情報化、スピード感あふれる競争の世界を体験してきた。「相手の国の文化などを理解した上で、コミュニケーションを取ることの重要さを感じました」と言う。一方で、工学博士の肩書きを持ち、昭和五十三年から成蹊大学工学部で「自動車工学」の講義を担当している。谷校長の、求められる人材に対する見方は厳しい。
 「自分を開拓できる人、チームワークでリーダーシップを発揮できる人、グローバルに活躍できる全人格像が求められていると思います」
 同校は「個性の尊重・品性の陶(とう)冶(や)・勤労の実践」を建学の精神に掲げ、中学では生徒一人ひとりにさまざまなチャンスを与えた上で、個人の資質を発見させ、高校ではその資質を伸ばす全人教育を実践している。
 建学の精神をベースに、(1)グローバルに認知される教養と個性の育成(2)協調性のある自立精神と自律的行動力の育成(3)知的好奇心と科学的探究心の育成を目指すと谷校長。
 同校では中学・高校一貫して、伝統的に実験・実習や行事が多く取り入れられており、体験学習を重視しているのが特徴だ。ここには、知的好奇心と科学的探究心の育成を重視していることが表れている。昨年成蹊学園は創立九十周年を迎え、すでに百周年に向かって「新・成蹊創造プラン」が始動、一層の飛躍のために教職員が情熱を持って教育に当たっている。
 谷校長は自動車の先行技術開発、研究開発などに長年従事し「自動車技術会賞」など四回受賞、平成十三年から生産統括本部長として世界中にある工場の乗用車生産を統括した。
 「現在、本校では飛躍のためにどのようなことを進めるのかを検討し、また成蹊の良さをどのようにアピールしていくかを考えています。各ステップごとに目標を決め、実行し、評価し、その次のステップをどう進めるのかが重要だと思っています」と谷校長は一層の飛躍を目指す。
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