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記事2003年10月13日 1908号 (1面) 
河村文科相が中教審に諮問 大検を高卒認定試験に
職業資格の受験で活用も
  河村建夫・文部科学大臣は十月七日、東京都内のホテルで開かれた中央教育審議会の総会で新たに「大学入学資格検定の在り方」について諮問した。大学入学資格が今年九月の制度改正で大学の個別審査によって入学資格を付与することができるようになったため、大学入学資格検定について高校卒業程度の学力を認定する試験であるとの性格をより明確にするとともに、各種職業資格でも受験資格として広く認知・活用されるような方策を検討する。今後は同審議会の教育制度分科会内に部会を新設、来年三月末までに検討結果をまとめる。大学入学資格検定は、昭和二十六年度から実施され、平成十三年度以降は、八月と十一月の年二回検定が行われている。十三年度以降、受検者数は三万人に増加(従来は約二万人)、毎年一万人強が合格している。合格者の七、八割が高校の中途退学者。
 大学入学資格検定について、今後“高校卒業能力認定試験”との性格を明確化すると、高校を経ず大学進学する若者の増加も考えられ、高校関係者からは高校教育の形がい化を懸念する声も上がっている。十月七日の中教審総会でも、「大学入学資格検定は純粋に教科面の内容だが、高校は教科指導だけではなく、生きる力の育成という大事な部分がある」と、教科面だけで高校卒業を認定することに疑問を投げかける委員もいた。
 総会ではこのほか、「初等中等教育における当面の教育課程及び指導の充実・改善方策について」と題する答申と、「新たな留学生政策の展開について」と題する中間報告が大臣に提出された。
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