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記事2003年6月23日 1893号 (6面)
学校法人武陽学園・西武台中学校(梅澤武久校長、千葉県野田市)では、学校と保護者・生徒のコミュニケーションを深めながら効果的な教育を実践する目的で、IT(情報技術)の導入を本格化させている。
教育現場にITを導入する場合に問題となるのが、どのような教育効果を設定するのか、またそれをどのような手法を用いて、どのようなツールによって実現するのかということだ。同校では教育的効果を「授業理解度の向上」に置き、それを「授業と家庭学習の効果的連携」および「授業の効率化」「学校・保護者・生徒の相互コミュニケーションの深化」という手法によって実現しようとしている。これらの基本方針を実現する手段・ツールとして採用されたものが、ITによる教育支援を提供しているNTT‐EIの「Webで宿題」だ。 「Webで宿題」は学校と家庭をインターネットで結ぶことにより学校から生徒に課する課題(宿題)を保護者にも知らせることが可能となるため、保護者が授業の進行状況や我が子の対応状況を知ることができる。教師の側では、課題や小テストなどを簡単にデジタルデータとして作成し、ネットを通じて配布・回収すればコンピュータが採点と履歴保存まで自動的に行ってくれるので、生徒・保護者とのコミュニケーションや教案準備など本来の教育活動に専念できる。 同校ではこれらのプロセスをインフラとして確保するために、本年度入学の一年生全員にノートパソコンを持たせるとともに、保護者の家庭にはイン夕ーネットへの接続を依頼した。ブロードバンド時代を反映してか、三月の入学説明会時点で約七〇%の家庭がすでにインターネット環境にあり、六月の実践開始時には一〇〇%の家庭が対応している。導入の準備から実施まで携わっている同校の薄井充宏教諭は「Webで宿題」について、教育現場の環境に配慮された使いやすさと、時間に制約されることなく保護者とのコミュニケーションが取れる機能を高く評価している。ネットワークに接続された環境がすでに当たり前の社会となっている現在、「Webで宿題」のようなツールを活用した教育は普及のテンポを速めていくことになるだろう。 |
1年生全員がノート型パソコンで授業 |
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