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記事2003年9月13日 1903号 (1面) 
管理運営のあり方大学等に研究委託
文部科学省概算要求
専門高校の企業実習推進
  文部科学省は八月末に平成十六年度概算要求を財務省に提出したが、さまざまな新規事業を要求している(私学関係の概算要求は九月三日号で既報)。初等中等教育関係では、中教審で現在討議している学校の管理運営の在り方等について実証的なデータを得る目的で大学・研究機関等に研究を委託、また新キャリア教育プラン推進事業、専門高校等における企業実習の積極的活用の研究などを実施する。このほか児童生徒へのきめ細かな学習支援・相談体制の整備、学校と家庭をイントラネットで結び積極的な情報発信や学力養成を図る事業などを行う計画だ。

 このうち学校の管理運営の在り方等の実証的研究を進める「初等中等教育改革推進事業」(予算要求額二千四百七十七万四千円)は、初等中等教育で喫緊の課題となっている事項について実証的なデータを得る目的で、大学・研究機関、都道府県教育委員会、市町村教育委員会等に対して調査研究を委嘱するもの。調査研究を行うのは、学校の管理運営の在り方のほか、学校における外部資源の活用、学校間連携の在り方、就学校指定時における学校選択の幅の拡大等で、六機関に三年間の研究を委嘱する。
 また「学力向上支援事業」(同六億七千八百六十七万八千円)は、都道府県教育委員会において、市町村教育委員会や教員養成系大学等と連携をとり、地域の人材を有効に活用して学校全体で個々の児童生徒へのきめ細かな学習支援・相談を可能とする体制を整える。それにより、きめ細かな指導実現のほか、地域の人材の積極的活用、教員志望者の資質・能力の向上を図るもので、四十七地域を指定する予定。
 これを含む学力向上アクションプランの推進事業では、引き続きスーパーサイエンスハイスクール(四十五校から七十校に)、スーパー・イングリシュ・ランゲージ・ハイスクール(五十校から百校に)の実施校を拡充する。同プランの予算要求額は十五年度の約三十九億四千三百万円から来年度は約五十六億三千万円に四二・八%もの増額を図る計画だ。
 「新キャリア教育プラン推進事業」(同一億九千十万九千円)は、勤労観や職業観の希薄化、フリーター指向の高まり、目標の明確でないままの進学などが社会的に問題となっていることから、小学校段階からの児童生徒の発達段階に応じたキャリア教育推進を目指して、実践協力校を指定しての小・中・高校で一貫した指導内容・指導方法等の開発、職場体験活動の実施、キャリアアドバイザーの活用などの研究を進めるほか、高校(単位制の定時制・通信制)を活用した学び直しの機会促進事業を実施する。
 専門高校等における企業実習の積極的推進は、「専門高校等における実務・教育連結型人材システム(日本版デュアルシステム)の推進」と呼ばれる事業で、予算要求額は三億六千九百八十万六千円。専門高校等における「日本版デュアルシステム」は、例えば一週間のうち三日間学校で学び、二日間企業で実技を磨く、あるいは一、二カ月間まとめて企業実習する、というもの。モデル地域(十二地域)を指定して三年間、企業実習の効果的な導入方法、企業実習に係る評価基準の策定やバックアップ体制の検討を行う。
 「学校・家庭間イントラネット活用推進事業」(同一億千九百十八万九千円)は両者間を結ぶイントラネットを構築し、学校から家庭に積極的に情報発信するとともに、児童生徒の学力養成に資するよう効果的な活用方策について研究する。
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