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記事2004年10月3日 1951号 (9面) 
新校長インタビュー (109) ―― 桜美林中学・高等学校
校長 本田 栄一氏
国際的教養人の育成
コミュニケーション能力養う


 桜美林中学・高等学校(東京都町田市)の本田栄一校長は「私学は一人ひとりを大切にするということを使命としております」と強調する。
 同校は創立者、清水安三氏の掲げる「キリスト教主義に基づいた国際的教養人の育成」を建学の精神に掲げ、国際社会に目を向け、自分が学んだことを世界の人々と分かち合うことのできる人間の育成を目指している。
 この精神は礼拝を通して学んでいる。学校の礼拝の意義は「@いのちを与えられたことに感謝し、自分がさまざまな人に支えられて生きていることを忘れないことA自分をしっかり見つめること」(本田校長)にある。
 「生徒一人ひとりが自分の目標を見定めて、将来像を思い描くことが必要で、自分がかけがえのない存在として、個としての自覚を持つということです。これが本校の目指す人間像です」
 本田校長はさらに「異質な人との違いを認め、共に生きなければなりません。本来の意味での国際交流はまず、在日外国人の人々と共生する『内なる国際化』に目を向け出発することだと思います」と続ける。
 この共生は文化の異なる人々と十分なコミュニケーションをとることができる力を養うことが基本だ。
 「そのためには、自分で考え、自分の言葉で表現し、伝える力を養う、相手に向き合うことによって得られる経験を大切にしながら自立した個人の育成が必要です」
 生徒一人ひとりがなぜ学ぶのかを結論を急がずに、じっくりと自分で考えるように奨励している。
 「学ぶということは、一人ひとりに与えられた個としてのかけがえのない価値を発見することにあるからです」
 同校は、第一ステップ(中学一―二年)は基礎力の養成、第二ステップ(中学三―高校一年)は基礎力の伸長、第三ステップ(高校二―三年)は発展と実践――の三ステップ制を導入している。また桜美林大学と連携し、多数の講座を選択することができる。講座終了時には同大学の単位として認定されるのも特色だ。
 「基本は変わりません。しっかりとした授業を行い、生徒一人ひとりを丁寧に指導し、生徒の質の向上を図ることが大事だと思います」と、生徒の学力向上の面でも一層充実を図る方針だ。

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