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記事2004年2月3日 1923号 (9面) 
教育費の公私負担格差是正 京都と福井で私学振興大会
 京都私学振興大会では経常費補助の大幅な増額の要請などを、また、福井県私学振興のつどいでは中学・高校が経常費補助の拡充強化、幼稚園が公費負担の格差是正、専修学校各種学校が教育振興補助金の増額などを決議、両大会も保護者の熱い思いが伝わる大会となった。
【京都府保護者連】
私学への進学に支援を
“府民の期待に応え努力”副知事挨拶


 京都府私立中学高等学校保護者会連合会(松野泰治会長)と京都府私立中学高等学校経営者協会(小野山利雄会長)は昨年十一月十五日、京都市・シルクホールで京都私学振興大会を開催した。大会は、第一部が京都学園中学高校の吹奏楽演奏、第二部が京都府私立学校教育功労者表彰式、第三部で大会決議などが行われた。
 主催者を代表して、松野会長は建学の精神に基づく教育、生徒の多様化に対応した教育を展開している私学の特色を挙げた上で、「しかし、経済的理由から私学への進学を断念している生徒が多数いる」とし、「(私学へ進学させたいという)保護者の願いを十六年度の予算に反映していただきたい」とあいさつした。また、小野山会長は教育費の公私間格差が大きいことを取り上げ「生徒減少期を迎え、私学の中には存続が困難になる学校も出てくることが予想される」と述べ、私学への支援を要請した。
 これに応えて、来賓として山田啓二・京都府知事代理の麻生純・京都府副知事は、「私学は早くから特色ある教育をして府民の期待に応えている。府としてもこれからも私学助成の充実に向けて取り組んでいく」と祝辞を述べた。
 大会では(1)私立学校振興助成法の精神に則り、私学に対する国庫補助制度を堅持するとともに京都府の私立中学高等学校経常費補助金の大幅増額を要請(2)保護者教育費負担の公私間格差是正を要請(3)保護者の経済的負担軽減のための税制改正を要請――を決議した。
 京都府私立学校教育功労者表彰式典では、功労者三人、永年勤続者四十四人が表彰された。眞木意令・京都府私立中学高等学校連合会長(京都学園中学高校長)は式辞で、「教育改革が進んでいるが、私学にしかできない教育をいかんなく発揮し、府民の期待に応えてほしい」と表彰された教職員を激励した。

【福井県私学連】
大幅な振興助成を
石井出納長ら私学教育評価


 第二回福井県私学振興のつどい(私学は一つ、教育は私学から)が昨年十一月十三日、福井市の福井県民会館で開催された。主催は福井県私立学校連合会、福井県私立高等学校PTA連絡協議会および福井県私立幼稚園PTA連合会。
 主催者を代表して荻原芳昭・福井県私立学校連合会長(啓新高校長)は「(平成十五年)十一月二十五日の全国私学振興大会は力を一つにして頑張る」とあいさつ。
 また、栗田隆司・同県私立高等学校PTA連絡協議会副会長、杉山法継・同県私立幼稚園協会副会長、および長村久男・同県専修学校各種学校連合会副会長がそれぞれ現状報告を行った。このうち、栗田副会長は同県の教育費に対する公費支出における公私間格差は拡大しているとした上で、「公費負担による公私間格差の是正が必要だ。私学も公教育の一端を担っているので、大幅な私学振興補助金の増額を望む」と訴えた。
 また、杉山副会長は家庭教育支援が少子化対策の核にならなければならないとし、「多くの女性は子育てを仕事より大切にしたいと考えている。親が負担する、公立・私立間の格差を是正して、すべての子供たちに公正な公的助成となるようにお願いしたい」と強調した。
 西川一誠・福井県知事の代理として石井佳治・出納長が来賓として、「私学は建学の精神のもとに独自性と特色ある教育を推進している」と私学の教育を高く評価した。
 当日は▽私立中学高校(1)私立学校教育振興補助金(経常費補助)の拡充強化(2)生徒急減期における公私協調による安定的な定員の確保▽私立幼稚園(1)幼児にかかわる公費負担の格差是正(2)特別補助の拡充▽専修学校各種学校(1)私立専修学校等教育振興補助金の増額▽私立学校退職金基金社団(1)私立学校退職金基金造成に対する補助率の引き上げ――を決議した。
 そのほか、教職員の表彰や休憩をはさんで生徒と園児による学習発表(吹奏楽部演奏、歌、手話コーラス、ベル演奏)が行われた。

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