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記事2005年8月13日 1989号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
私学4団体から意見聴取
私大団連 教育の質向上、質の高い教員確保
根幹は国が責任を
【義務教育特別部会】
 義務教育費国庫負担制度の存廃について討議している中央教育審議会義務教育特別部会(会長=鳥居泰彦・慶應義塾学事顧問)は、七月二十五、二十八日、八月四日の三日間、東京都内で、七月にまとめた同部会の審議経過報告について関係三十一団体から意見聴取を行った。私学関係は四団体が意見発表を行い、国庫負担制度について日本私立大学団体連合会が堅持すべきとの姿勢を明確に示したほか、他団体もおおむね制度の存続を求める意向を示している。
 ヒアリングで意見を述べた私学団体は、全日本私立幼稚園連合会(=全日私幼連)、日本私立小学校連合会(=日私小連)、日本私立中学高等学校連合会(=中高連)、日本私立大学団体連合会(=私大団連)。この四団体の中で、特に明確に制度堅持を主張したのは私大団連だった。
 私大団連は「国庫負担制度については、わが国の教育の質の向上とともに、子供たちの教育レベルの向上と密接な関係にある。また、地域に関係なく質の高い教員を確保するための確実な制度であると考えられる。したがって、義務教育の根幹については、国が責任を持つべきであり、現行の義務教育費国庫負担制度を堅持するべきである」と強調している。
 一方で全日私幼連は発表の際、直接関与している訳ではないので特に意見はない、としながらも、「国の発展・活力の源となる次代を担っていく子供たちをはぐくんでいくための教育についての第一義的責任は、国にあると考える」との意見を出した。
 日私小連は「国家百年の計を考えれば地方分権は時代の流れであり、それぞれ担うべき分野があるが、教育という大事業は全国どこでも同じような教育環境を維持するためにも、基本的には国がこれに財政措置を行うことが必要」としている。
 中高連も「地方分権が時代の潮流であることは誰も否定しない」としながらも、「教育は、外交、防衛等と並んで基本的には国が担うべき分野である。国民の教育を受ける権利を実質的に保障するための教育内容・水準の適正な確保という責務を果たすことが求められている」などと指摘している。今後これらの発表のほか、先月茨城県、高知県で開催した「一日中央教育審議会」やパブリックコメントなどの意見を踏まえ、今月二十四日から通常の義務教育特別部会を再開。今秋に答申する。

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