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記事2009年4月3日 2132号 (4面) 
中央教育審議会の審議動向
一貫性ある質保証システム検討へ
公財政支援、機舶ハ分化との関連も
【大学分科会質保証システム部会】
 中央教育審議会大学分科会に新設された「質保証システム部会」の初会合が三月二十四日、文部科学省内で開かれ、大学における質保証システムの在り方についての審議を開始した。部会長に黒田壽二・金沢工業大学学園長・総長が選任された。委員は十六人、うち八人が私大・短大関係者。
 初めに文部科学省から大学の質保証システムの現状と課題が報告された。それによると、大学の質保証は、最低基準を定めた「設置基準」、最低基準の担保のための「設置認可審査」、設置後の確認のための「認証評価」の三つが一体となって支えられているが、平成十五年の準則化により審査内規が廃止され、審査基準として適用すべき水準が不明確になったことなどにより、設置認可審査で判断に苦慮する事例が多数生じている。また設置基準の条項レベルの事項をどの程度盛り込むかは、認証評価機関の任意とされ、認証評価では設置基準全般にわたる適合性が必ずチェックされる仕組みにはなっていない。設置認可審査やそのアフターケアを通じて明らかになった課題等が認証評価に引き継がれてその大学の質保証に生かされるという一貫性・体系性がないなどの課題がある。こうした現状と課題に委員からは、「質をどう捉えるかが出発点」「基準と多様性をどうマッチングするかだ。取り締まる発想ではまずい」「大学にとって最終製品としての学生の質という視点を加えるべきだ」「法令違反でない限り、ものが言えない。『もっといいものを(求めていく)』ということが機能していない」「学生の立場からの分野別評価を早急に導入すべきだ」などの意見が出された。
 同部会では今後、質保証システムと公財政支援の関連、国際的基準も踏まえた設置基準や認証評価等の検討、大学の機能別分化に応じた認証評価活動、設置認可制度の改善等を検討していく。
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