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記事2009年7月3日 2141号 (7面)
新校長インタビュー (186) ―― 高輪中学校・高等学校
校長 坂本 正氏
物事の本質見極め、内面を見る
教員の意識・資質向上図る
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「高輪の教育は何事も表面だけを見て判断することなく、真摯に物事の本質を見極め、常に内面の深いところまで目を向け、他の人を思いやってみることを学ぶところにあります」と高輪中学校・高等学校(東京都港区)の坂本正校長は切り出した。 同校の教育理念は「見えるものの奥にある、見えないものを見つめよう」。この理念は、すべての教室に掲げられている。中高一貫教育を進めるに当たり、明確に打ち出した理念だ。その上で、「大学へ進学させるための指導」と「人を育てる指導」を目標とした。 「大学へ進学させるための指導」については、生徒が将来何をしたいのか、そのためにはどのような方面に進んだらいいかを見据えた指導を行い希望する大学や学部を決めさせていく。 「施設の整備はもちろん大切ですが、学校は人で支えられているところがあります。教員の実力を遺憾なく発揮してもらうため、教員の意見をできるだけ聞くようにしており、教員の研修についてもしっかり行うようにしております」と、坂本校長は教員の意識と資質を高めることも重視している。現在、国公立への合格者を増やすこと、毎年前年度より実績を上げていくことを目指している。 同校の校訓は「自主堅正」。「勉強を通して自分を育て、自分の持っている能力を今よりも、もう少し、あともう少し、と磨いていく」意味で、この教訓もすべての教室に掲げられている。 「人を育てる指導」については、年間を通して行われるさまざまな行事の積み重ねの中で、自然や文化を学ぶようにさせているところにも表れている。例えば、中学一年での自然体験学習、二年での農工芸体験学習、三年での西日本探訪は、生徒の興味・関心を広げ、物事を大きく深く捉(とら)える視点と姿勢を身につけさせることが狙いだ。 「中学の時、自分を教えてくださった先生にあこがれて、教員を志望した」と坂本校長。教員としては、高輪商業高校で「簿記・会計」を教えるところから出発し、高輪中学・高校へ赴任して、社会科を担当するようになった。入試広報部長、教務部長、教頭を経験して今年四月校長に就任した。カリキュラム編成など少しずつ改善し、地道だが、確実に成果を上げている。共学化の波が進んでいる中で、「創立以来男子校であり、共学はまったく考えていない」と、男子教育に賭ける意気込みは強い。 |
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