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記事2010年8月13日 2179号 (1面) 
高校生の国公私比率に変化なし
文科省が学校基本調査速報公表
公立中等教育学校 生徒数の増加顕著
私立中は減少続く
 今年四月に始まった公立高校の授業料無償化、私立高校生への就学支援金交付により公私の生徒受け入れ比率に変化が生じるのではないか、と見られていたが、文部科学省が八月五日に公表した「平成二十二年度学校基本調査速報」によると、国公私立高校の入学者総数は百十六万五千六百三十二人、うち私立高校の入学者数は三十四万八千七百二十四人で入学者総数に占める比率は二九・九%、従来の私立高校生のシェアに変動は見られなかった。

 今年五月一日現在の高校生総数は国公私立を合わせて三百三十六万八千六百十一人、うち私立高校生は全体の二九・八%に当たる百万二千六百五十四人で、前年度に比べ四千八百十一人増えていた。国公私立全体では高校生の前年度比増加数は二万一千三百人なので、私立高校生の増加数は全体の二二・五%となる。
 就学人口減少期の中にあって高校生数が増えた原因は、今春の中学校卒業者数が前年度に比べ約四万人も増えたためだが、来春は一転、中学校卒業者数が前年度比約五万人も減少する見通しだ。
 また高校無償化政策で公立校では前期課程、後期課程の六年間を通して授業料が無償となった中等教育学校に関しては、全国で前年度と比べ公立が三校増え二十八校に、私立も三校増え十六校となったが(国立は四校で増減なし)、生徒数の増加は、公立が二千二百八十一人増えたのに対して、私立は六百三十三人の増加にとどまった。
 このほか校種別に主な特徴を拾い上げると―。
 ■幼稚園=公私立幼稚園で前年度比百二十四園の減少。私立幼稚園は二十五園減り八千二百三十六園。私立幼稚園の園児数は一万三千五人減少し百三十万五千一人に。小学校第一学年児童数に対する幼稚園修了者比率は五六・二%。幼稚園就園率は昭和五十年頃を境に低落傾向が続いている。
 ■小学校=国公私立の児童数は前年度比約七万人減の六百九十九万三千四百三十三人で初めて七百万人を下回る過去最低。これで二十九年連続の減少。私立小学校は三校増え二百十三校に。児童数は八百六十五人増の七万九千四十二人。小学生総数に対する私立の比率は一・一%。
 ■中学校=学校数は公立が六十二校減の九千九百八十二校。私立は十二校増え七百五十七校に。国立は七十五校で前年度と同数。生徒数は国公立で約三万八千人の減少。平成十四年度以降増加傾向にあった私立中学校の生徒数は平成二十一年度に引き続いての減少。減少数は四千二百五十一人で、私立中学校の生徒数は二十五万五千五百七人。私立中学生の全体に占める比率は七・二%で前年度と同率。中卒者の進路としては、高校等進学者が全体の九八・〇%で過去最高。
 ■特別支援学校=前年度より九校増の千三十九校。在籍する幼児・児童・生徒数は前年度比四千七百二十人増の十二万一千七百五十五人で過去最高。うち私立校は十四校で前年度と同数。
 ■高校=学校数は国立十五、公立三千七百八十、私立千三百二十一。前年度と比べ国立は一校、公立は六十六校の減少。私立は変わらず。高卒後の進路としては、全日制課程・定時制課程を見ると、過去最高の五四・三%が大学等進学者。また一五・九%が専修学校専門課程進学者。就職率は一五・八%で前年度比二・四ポイントの下落。
 大学等進学率と就職率は都道府県によって大きく異なり、大学進学率では二四ポイント程度の開きがある。沖縄県は大学進学率が最低で専門学校進学率が全国一高い。大学等進学率の全国一位は京都府の六七・〇%。
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