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記事2010年8月13日 2179号 (1面) 
大阪府の改革PT 財政構造改革プラン素案公表
私学助成の節減求める
「公立校生ふえれば納税者負担増える」
私学所管部局反対
 平成二十三年度から二十五年度までの財政再建策の検討を進めてきた大阪府の総務部財政課改革プロジェクトチームは、八月五日、「大阪府財政構造改革プラン」の素案をとりまとめ、公表した。歳入歳出改革、国への制度提言、公務員制度改革等を柱にしたこの素案は、平成二十年度から実施の「財政再建プログラム案」の後継となるもの。九月三日までの府民からの意見募集を経て、九月定例会(九月二十二日―十二月十五日)で財政構造改革プランについて議論の予定。
 現行の「財政再建プログラム案」では、平成二十年度から三年間に既に百六十九億円もの私学助成が削減されている。私学助成の削減額は府全体(一般施策経費)の削減額の約二割に当たる額。
 今回の素案では、そうした上に、私立高校等への経常費助成節減の取り組みの継続を検討せざるを得ないこと、私立高校等に対する授業料支援補助金の拡充に当たっては公立での受け皿がある私立小学校・中学校に対する経常費助成の在り方など、私学助成全体のさらなる見直しを図るとしている。
 私立学校の存続の危機ともいえる状況に、大阪府で私立学校を所管する府民文化部では、同改革プランのたたき台の段階から財政再建に当たって私学の負担が過重となっていることや、中学校と高校は一貫教育で一体的に運営されていること、中学校の私学助成削減は授業料の引き上げを招き、その結果、私立中学生が周辺府県に流出、中高一貫のため高校段階で大阪に戻る可能性は低いこと、公立中学校に移った場合納税者負担はかえって増えてしまうことなどを指摘、保護者の意見も参考にしつつ、私立高校等の授業料支援補助金の拡充については府施策全般の見直しの中で対応することや、国の高校生修学支援基金の運用条件を緩和し活用期間を延長すること、授業料支援と付加価値教育の向上を進め、公私立高校間の切磋琢磨を進めるべきだとの考えを示している。
 大阪私立中学校高等学校連合会(平岡正巳会長)も私学助成の削減に危機感を強めており、同連合会は六月下旬から七月上旬に私立中学高校の保護者を対象にしたアンケートを実施、その結果を七月十六日に発表しているが、私立高校の保護者の九七%が私立高校には公立にはない教育(付加価値教育)があると回答、また六割弱の保護者が私立高校の付加価値教育に対する費用負担に「理解できる」と回答していることなどが明らかになっている。
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