TOP >>
バックナンバー一覧 >> 2016年8月13日号二ュース >> VIEW
記事2016年8月13日 2383号 (1面)
大学等進学率、54.9%に増加 学校基本調査結果速報を公表
都道府県間で大きな格差 高校等進学率は98・7%に
文部科学省は8月4日、「平成28年度学校基本調査結果(速報値)」を公表した。それによると、今春の高校(全日制・定時制)卒業者104万3555人のうち、大学等進学者※の比率は前年度比0・4ポイント増の54・9%となった。前年度と比べ就学人口の減少から高校卒業者数は約2万1千人減少、それに伴い大学等進学者数も前年度比約7500人減少したが、大学等進学率は平成25年度を基点に上昇傾向を続けている。その中で大学(学部)進学率は、前年度比0・5ポイント高い49・3%となった。ただし大学(学部)進学率は都道府県間で格差が極めて大きく、東京都(63・9%)や京都府(60・7%)が60%台なのに対して、鹿児島県(30・6%)など30%台の県も見られる。東京都や京都府など大学(学部)進学率が高い自治体では相対的に専門学校進学率、就職率が低い傾向。反対に大学(学部)進学率が低い自治体では比較的に専門学校進学率や就職率が高い傾向。※大学等進学者とは大学の学部・通信教育部・別科、短期大学の本科・通信教育部・別科、高等学校・特別支援学校高等部の専攻科への進学者。また進学しかつ就職した者を含む。
学校種ごとの概況を報告する。ただし平成28年熊本地震の影響から、熊本県内の幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校、各種学校の学校数や児童生徒等数は今回の速報には反映されていない。今年12月公表予定の確定値(報告書)に反映される。 ■幼稚園 出生数の低下に加えて、幼保連携型認定こども園への移行から、幼稚園数は減少を続けており、平成28年度の幼稚園数は1万1138園で、このうち私立幼稚園は6994園で、前年度比310園減少した。園児数は132万8791人、うち私立は110万2318人。 ■幼保連携型認定こども園 私立の園数は2308園で前年度比739園の増加。私立の園児数は前年度比10万4169人増の33万6228人。公私を合わせた園児数は約38万8千人だが、そのうち0〜2歳、3歳、4歳、5歳が約4分の1ずつを占めている。 ■小学校 国公私立を合わせた学校数は1万9943校で、うち私立は230校。平成18年度から28年度までの10年間に公立小学校は2965校が姿を消し、反対に私立小学校は32校増えた。児童数は約640万人、うち私立小学校の児童数は約7万7千人。 ■中学校 学校数は国公私立を合わせて1万228校、うち私立は767校。国公私立を合わせた生徒数は約335万6千人、うち私立中学校の生徒数は約24万人。 今年3月の中学校卒業者約115万人のうち、高校等進学者※は約114万人。高校等進学率は98・7%、通信制課程を除くと96・6%。その他の進学先は専修学校高等課程や公共職業能力開発施設、就職等。 ■義務教育学校 平成28年度から制度化された、小学校と中学校が合体した義務教育学校の学校数は22校(全て公立)、児童生徒数は1万2702人。 ■高等学校 国公私立の学校数は4845校、うち国立は15校、公立は3530校、私立は1300校。生徒数は326万686人。学科別内訳(本科生)は、普通科が全体の73・1%を占め、次いで工業科が7・6%、商業科が6・0%、総合学科が5・4%、農業科が2・4%、家庭科が1・2%など。 高校(全日制・定時制)卒業後の進路では、大学等進学率が54・9%、専門学校進学率は16・3%、就職率が17・8%。就職先としては、男子では製造業が最も多く45・5%、次いで建設業(12・6%)、公務(他に分類されるものを除く)8・1%といった順。一方、女子では製造業が27・6%で最も多いものの、次いで卸売業、小売業が19・1%と大きな比率を占めており、以下、医療、福祉が13・0%、宿泊業、飲食サービス業が10・0%と続いている。高校の通信制課程の学校数は240校、生徒数は17万8296人。
公立大学が2校増加
短大から大学への編入学4千人超
■中等教育学校 学校数は52校。うち私立は17校。生徒数は国公私立全体で1万6551人。 ■特別支援学校 学校数は1106校、在学者数は13万7939人。 ■専修学校 学校数は国公私立を合わせて3128校、うち私立は2934校。課程別生徒数は高等課程が3万8189人、一般課程が2万7782人、専門課程が58万2377人。 ■各種学校 学校数は1195校、生徒数は11万9922人。このうち私立の学校数は1189校。 ■大学 学校数は777校。前年度比2校の減少。内訳は国立86校、公立91校、私立600校。これは通信教育のみを行う学校(私立7校)を除いた数値。国立の学校数はこの6年間変化なし。前年度と比べて公立は2校増、私立は4校減。公立の増加は私立大学の公立大学化などによる。 国公私立を合わせた学生数は287万3066人で前年度比1万2856人の増加。私立大学の学生数は211万2323人で前年度比1万1681人の増加。公立は1711人の増加、国立は536人の減少。大学全体に占める私立大学の割合は77・2%、学生数は73・5%。卒業後の進路としては、大学院等への進学者(大学院研究科、大学学部、短大本科、大学・短大の専攻科、別科へ入学した者)が11・0%で前年度と同率。就職率は雇用環境の好転を反映して前年度比2・1ポイント増の74・7%。 大学学部への編入学者数は短大からが4339人、高等専門学校からは2466人、専門学校からは1529人。 ■短期大学 学校数は341校、内訳は公立が17校、私立が324校。(通信教育のみを行う学校・私立2校を除く。短大全体の学生数は12万8461人、うち私立短大の学生数は12万1711人。短大入学者のうちの女子学生の自県(出身高校と同一県)内の短大に入学した比率は69・1%で同じ条件の男子学生の57・3%を大きく上回っていた。 ■高等専門学校 学校数は57校。このうち私立は3校、公立も3校、残りの51校が国立。学生数は5万7662人で、うち私立の学生数は2295人。卒業後の進路は約4割が進学者、約6割が就職者。 ■大学院 学校数は627校、うち私立は462校、学生数は24万9580人、うち私立は8万2745人。
学校数・在学者数・本務教員数
(平成28年5月1日現在)
区分 学校数(校) 在学者数(人) 総数 国立 公立 私立 国立 公立 私立 総数 うち女子 幼稚園 11,138 48 4,096 6,994 1,328,791 655,734 5,253 221,220 1,102,318 幼保連携型認定こども園 2,760 ― 452 2,308 388,240 189,026 ― 52,012 336,228 小学校 19,943 71 19,642 230 6,386,207 3,119,226 38,888 6,270,132 77,187 中学校 10,228 72 9,389 767 3,355,877 1,639,315 30,365 3,085,428 240,084 義務教育学校 22 ― 22 ― 12,702 6,167 ― 12,702 ― 高等学校 4,845 15 3,530 1,300 3,260,686 1,617,322 8,630 2,221,857 1,030,199 中等教育学校 52 4 31 17 32,428 16,357 3,107 21,941 7,380 特別支援学校 1,106 44 1,049 13 137,939 47,776 2,930 134,251 758 高等専門学校 (―)57 (―)51 (―)3 (―)3 (51)57,662 (329)10,388 (12)51,627 (−38)3,740 (77)2,295 短期大学 (−5)341 (―)― (−1)17 (−4)324 (−4,220)128,461 (−3,484)113,977 (―)― (−206)6,750 (−4,014)121,711 大学 (−2)777 (―)86 (2)91 (−4)600 (12,856)2,873,066 (15,471)1,247,339 (−536)610,266 (1,711)150,477 (11,681)2,112,323 (再掲)大学院 (―)627 (―)86 (1)79 (−1)462 (106)249,580 (766)78,597 (636)150,727 (134)16,108 (−664)82,745 専修学校 3,128 9 185 2,934 648,348 361,040 414 25,241 622,693 各種学校 1,195 ― 6 1,189 119,922 56,102 ― 560 119,362 合計 55,592 400 38,513 16,679 18,730,329 9,079,769 751,480 12,206,311 5,772,538
(注)1 ( )内の数は前年度からの増減数である
|
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。 無断での記事の転載、転用を禁じます。
|