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記事2017年4月23日 2406号 (1面) 
衆議院 専門職大学創設で参考人から意見聴取
小出・私大団体連事務局長意見表明
私大関係者には制度詳細不明で不安・懸念
財政支援は私学助成と別立てに

衆議院の文部科学委員会(永岡桂子委員長)は4月21日、実践的な職業教育に特化した専門職大学・同短期大学の創設を目的とした「学校教育法の一部改正案」の審査を開始した。同日、その参考に、永田恭介・筑波大学長、小出秀文・日本私立大学団体連合会事務局長、本田由紀・東京大学大学院教育学研究科教授の3人から、専門職大学等について意見を聴取した。永田学長は文部科学省の中央教育審議会でこの問題を専門的に審議した特別部会の部会長であり、中教審大学分科会の分科会長。永田学長は、産業構造や就業構造が大きく変化する中で、国際的通用性を持った専門的職業人の育成や社会の学び直しのできる高等教育の重要性を強調、既存の大学等ではそうしたニーズへの対応が容易ではないとして、新しい理念で新しい高等教育機関を創設する意義を力説した。専門職大学の設置基準については、校地・校舎が広くなくても趣旨を実現できる分野や地域があるとしたほか、学生の生活を保証する場が必要だ、とした。  小出事務局長は、専門職大学等の創設について、私大関係者の中には賛成の意見がある一方、半数以上の私大関係者は専門職大学等がどのような教育内容で、基本的な枠組みがどうなるのか不透明のため不安、懸念があると指摘。その上で、専門職業人の必要な分野や育成すべき人材のボリューム等を明確にしてほしいと要請。また、現在、既存の大学等の設置認可の大半が資格に関係している中で、新しい専門職大学との違いがどの辺にあるのか明確になっていないことが混乱を生じさせていると指摘。さらに専門職大学等に対する財政支援に関しては、現行の私学助成とは別枠での措置を要望した。  本田教授は、教育機関の中で職業スキルの育成が脆弱であるため、また高校専門学科の進学先という面で専門職大学の創設は評価できる、とした一方で、大学での専門職業人の育成と専門職大学での育成の違いが不明であり、既存の大学が専門職大学への移行を強く求められれば大きな混乱を招くと強調。また教育課程に関しては専攻する分野の隣接分野も含め、全体を俯瞰・大局的に認識できる教育課程の重要性を訴え、そこが保証されないなら、専門職大学の意義は疑わしいとした。  その後、与野党の議員との質疑、参考人退出後には委員会審査が行われたが、専門職大学の設置基準がまだ公表されていないこともあって、もう一方踏み込んだ議論は聞かれなかった。しかし文科省では農業大学校の専門職大学への転換を検討していることなどを明らかにした。

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