こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> 2017年6月23日号二ュース

記事2017年6月23日 2412号 (1面) 
短期大学振興議員連盟が総会
文科省審議官が 専門職大学等の 設置基準検討状況説明
なお課題の指摘も 小規模校の短大にも 軽減措置を求める声

短期大学振興議員連盟(会長=中曽根弘文・参議院議員)の総会が6月15日、衆議院第1議員会館で開かれた。総会では先の通常総会で学校教育法の一部が改正され、平成31年度からの創設が決まった「専門職大学・専門職短期大学」について設置基準の検討状況が、文部科学省の浅田和伸・高等教育局担当審議官から説明され、出席の国会議員や日本私立短期大学協会の関口修会長等から短大振興策への要望等が述べられた。  冒頭、中曽根会長は、「全国各地の人材養成、それによる地域の発展、また特に女性の活躍という面で尽力されている短期大学を応援しようということで、この議員連盟がある。皆さん方とともにいい形になるよう、今後活動していきたい」とあいさつ。  その後、浅田審議官から現時点での設置基準の検討状況が説明されたが、初めに設置基準の基本的な考え方としては、国際通用性が求められる大学の枠組みに位置付けられる機関としてふさわしい教育研究水準を担保すること、基本的に現在の大学設置基準・短期大学設置基準を踏まえて考える必要があること、その上で新しい専門職大学・専門職短期大学のそれぞれ特性を考慮した設置基準とすることが必要だとの指摘が、中央教育審議会答申や国会での学校教育法一部改正の際の附帯決議であったことを説明。  そうした基本的な考え方に沿って、教育課程等では、産業界と地域社会の連携による教育課程の編成・実施のため、現行の大学等設置基準にはない「教育課程連携協議会」の設置を義務付けたこと、開設授業科目についても「基礎科目」、「職業専門科目」「展開科目」「総合科目」という詳細な要件を設け、また企業等での「臨地実務実習」を義務付けたこと(ただし一部代替措置あり)等を説明。そのほか実務家教員の研究能力、みなし専任教員制度の導入、施設設備に関しては、大学等の基準を踏まえつつも、小規模な学部・学科のための基準新設ややむを得ない特別な事情がある場合の例外規定や校地、校舎面積については、大学・短期大学の設置基準の水準を踏まえつつ、小規模の学部・学科のための基準を新設するほか、「臨地実務実習の必修化」などの特性を考慮して、一定の要件の下に校舎面積を軽減する措置(現在15%減が有力)などを考えていることなどを説明した。  こうした文科省の説明に日短協の関口会長は、「専門職大学等が世界に誇れる新しい学校種となるためには、まだまだ設置基準上お願いしたいことがある」と語り、「短期大学の定員や校地校舎の関係でわれわれとしてもお願すべきことが多々あるやに拝聴した」と語った。  それに対して浅田審議官は、専門職大学等に設ける予定の小規模校の特例については短期大学の設置基準に取り入れることも可能だとの考えを示した。また、関口会長からは専門職大学等の認証評価がどうなるのかといった質問も出された。  浅田審議官は、専門職大学等は、専門職大学院と同様に、一般の認証評価とともに、分野別の認証評価の実施を考えていること、そのため分野別の認証評価団体を今後、作っていくことも必要だとした。このほか短大関係者からは新設する「教育課程連携協議会」と既存の組織(教授会等)の関係性整理の必要性や学位における分野の表記の仕方等に関する質問が出された。  この日、出席の国会議員からは、専門職大学等の設置基準で検討されている、社会人等を想定しての入学前の既修得単位(職業資格も含めて)の単位認定について、現行の大学・短期大学の設置基準にも取り入れたらどうか、といった意見などが出され、浅田審議官は「可能」との見通しを明らかにした。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞