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記事2017年7月23日 2415号 (1面) 
文部科学省 高大接続改革の実施方針など策定

文部科学省は7月13日、高大接続改革の一環として、@「高校生のための学びの基礎診断」の実施方針とA「大学入学共通テスト」の実施方針を策定、B「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」を決定したことを公表した。このうち@は、高校における多様な学習成果を測定できるツールの一つとして活用できるよう、文部科学省が一定の要件を示し、民間の試験等を認定する仕組み。Aは大学入試センターに代わるもので、大学入学希望者を対象に知識・技能を十分に有しているかの評価を行いつつ、思考力・判断力・表現力を中心に評価するテスト。Bは各大学の入学者選抜で「一般入試」「AO入試」「推薦入試」の在り方を見直し、入学者選抜のプロセス(出願時期、実施時期、合格発表時期)について基準を設けたもの。


 


高校生のための学びの基礎診断、30年度中に認定制度運用開始


AO入試等も共通テスト等必須化


このうち@の「高校生のための学びの基礎診断」は、高校での活用を通じて指導の工夫・充実、PDCAサイクルの取り組みを促進する仕組みで、活用は各高校または設置者の判断による。  対象教科・科目、問題内容、解答方式、結果提供(表示)、CBTの活用、実施回数・時期・場所、結果活用の在り方、受験料等については関係者の意見や専門家の検討等を踏まえ、今後、策定する、としている。  具体的には今後、国が基準等を策定、民間事業者が申請、国において審査(申請が形式的要件を満たしているかなどを審査、問題一つ一つの突合審査等は行わない)、その後認定、点検(毎年度、実施者に事業概要の報告を求める)、取り消し(認定要件を満たさなくなった、申請内容に虚偽が見つかった場合等に認定を取り消す)との段取りで、平成29年度中を目途に認定の基準等を策定し、平成30年度中に認定制度の運用を開始することを目指す。  Aの「大学入学共通テスト」は利用大学が共同して実施する性格のものであることを前提に、大学入試センターが問題の作成、採点その他一括して処理することが適当な業務等を行う。  実施開始は平成32年度(平成33年度入学者選抜)からで、36年度以降は新学習指導要領に対応したテストとなる(33年度を目途に実施方針を策定・公表予定)。出題教科(科目)は国語(国語)、地理歴史(世界史Aなど6科目)、公民(現代社会など4科目)、数学(数学Tなど4科目)、理科(物理基礎など8科目)、外国語(英語など5科目)、専門学科に関する科目(簿記・会計、情報関係基礎の2科目)。  そのうち「国語」「数学T」「数学1・数学A」についてはマークシート式問題に加え記述式問題を出題する。  記述式問題の出題範囲は「国語総合」(古文・漢文を除く)で、思考力・判断力・表現力を評価する。数学の記述式問題の出題範囲は「数学T」で、特に数学を活用した問題解決に向けて構想・見通しを立てることに関わる能力の評価を重視する。  英語は4技能を評価する。大学入試センターが認定した民間の資格・検定試験を活用するが、平成35年度までは入試センターが英語の試験を実施、各大学は民間の認定試験のいずれか、または双方を利用可能。それ以降は認定試験のみ。受検は高校3年の4月から12月の間の2回までで試験結果は各大学に送付される。  マークシート式問題も思考力・判断力・表現力をより重視した作問とする。結果の表示は29年度中に結論を得る。共通テストの実施期日は1月中旬の2日間。なお実施大綱は平成31年度初頭目途に策定・公表予定。  さらにBの「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」では、従来の一般入試、AO入試、推薦入試を一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜に改め、このうち総合型選抜では各大学が実施する評価方法等(小論文、プレゼン、口頭試問、実技、資格・検定試験の成績等)または大学入学共通テストのうち少なくとも一つの活用を必須化。学校推薦型選抜でも同様な要件を必須化する。また生徒の特長や個性、多様な学習や活動の履歴等を適切に評価できるよう高校の調査書、推薦書を見直す。  総合型選抜は出願時期が9月以降、合格発表時期は11月以降とし、学校推薦型選抜は出願時期が11月以降、合格発表時期は12月以降としている。教科・科目に係るテストの実施時期は2月1日〜3月25日まで。

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