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記事2017年9月13日 2419号 (1面) 
文部科学省 生涯学習政策局を中心に 組織改正を要求
文部科学省平成30年度概算要求
高等教育 国立大学改革の強化推進
新たに卓越大学院プログラム

文部科学省は8月末日、平成30年度概算要求を財務省に提出した。今号では、前号(9月3日号)に掲載した私学関係要求以外の事項について、新規事業を中心に紹介する。その中でも特に目立つのが文部科学省の改組で、総合的な教育改革に取り組むため、現在の生涯学習政策局に初等中等教育局と高等教育局の一部機能を加え「総合教育政策局(仮称)」に再編する組織改正を要求している。また文化庁は、文化芸術基本法一部改正や京都移転を見据えて、長官官房、文化部といった部制を廃止し、機動性を高め、時代別・分野別タテ割りから機能重視の組織への再編を要求している。


このうち高等教育局関係の概算要求では、「国立大学法人の基盤的経費の充実」に1兆1409億円を要求している。前年度と比べて439億円、4・0%の増額要求だ。  内訳は、「国立大学法人運営費交付金」が1兆1309億円、「国立大学法人機能強化促進費」が100億円。これらは国立大学の基盤的経費のほか、国立大学生の教育費負担の軽減を図るため、350億円が充てられる。30年度は、前年度より約4千人多い、約6万5千人を授業料免除の対象にする計画。また、新規事業として、三つの重点支援の枠組みにより各大学の機能強化構想に対する戦略の進捗(しんちょく)状況に基づいてメリハリある重点支援を行うとともに、地方創生のための中核的組織やイノベーション創出につながる組織の拡充・充実等、中長期的な方向を見据えた各大学の意欲的な教育研究組織整備に対する重点支援を実施する計画。予算要求額は140億円。  三つの重点支援の枠組みとは、(1)地域のニーズに応える人材育成・研究を推進(55大学)、(2)分野ごとの優れた教育研究拠点やネットワークの形成を推進(15大学)、(3)世界トップ大学と伍して卓越した教育研究を推進(16大学)のこと。このほか共同利用・共同研究体制を充実して基礎科学力の強化を図る。  「国立大学改革の強化推進」事業には127億円を要求している。前年度の約2・5倍の予算額。この中では85億円が新規事項で、外部人材登用等による経営力の強化、教育研究の質の向上、イノベーション創出等、スピード感ある改革を実行する大学の取り組みを支援する。  高等教育関係ではこのほか、「大学における革新的工学系教育改革促進事業」を新たに要求している。予算要求額は12億円で、内容としては、(1)即戦力人材の育成強化を目指したメジャー・マイナー型(学部+修士6年一貫)や先端実務人材の育成強化を目指したダブルメジャー型(学部+博士9年)のモデルとなる教育プログラムの開発を支援する。共通的課題(教員の意識改革や教育評価制度の確立等)については、幹事校が事務局機能を担い、協働して取り組み、効率化を図る計画。  「高度経営人材養成プログラム支援事業」も新規要求。要求額は3億円。これはグローバルに活躍する経営人材や地方の主要産業等を担う経営人材、特定分野をけん引する経営人材の養成を図る取り組みを支援し、国際競争力の強化や地方創生に資する経営系大学院の機能強化につなげる。Global経営人材養成型(国際化)とLocal経営人材養成型(地方創生)が想定されている。  「卓越大学院プログラム」も新規要求事項で、要求額は100億円。  この事業は、各大学が総力を挙げて、国内外の優秀な学生や社会人を受け入れ、クロスアポイント制度等を活用した人事交流、学生の共同研究への参画等により、高度な博士課程学位プログラムの構築と実践による人材育成を行い、人材育成・交流および新たな共同研究の創出が持続的に展開される卓越した拠点を形成する取り組みへの支援。30年度は約15件を採択し、最大10年間、支援する計画。  クロスアポイント制度は大学と企業等二つの組織に雇用され、組織の壁を越えて活動、技術の橋渡しの役割等を果たすもの。  「先進的医療イノベーション人材養成事業」(予算要求額30億円)の中にも新規要求が盛り込まれた。それは「予防・健康寿命の延伸に向けた人材養成拠点形成プログラム」で要求額は15億円。超高齢社会の到来に伴う疾病構造の変化や医療需要の増大が見込まれる総合診療、老年医療、在宅医療に対応するため、地域社会と連携した多職種横断教育により、新たな医療技術の開発の観点も踏まえた地域の医療・健康の基盤を支える医療人材を養成する。1件当たり1億円、15件を計画している。

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