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記事2018年2月23日 2434号 (1面) 
高校学習指導要領改定案を公表
「歴史総合」「公共」「情報T」などを必修に 
主体的・対話的、深い学び実現を目標に

文部科学省は2月14日、「高等学校学習指導要領改訂案」を公表した。3月15日まで国民から意見を受け付けるパブリックコメントを行っており、3月末までに高校の新学習指導要領(2022年度から年次進行で実施)を公示する。今回の改訂では何ができるようになるかを明確化、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善、カリキュラム・マネジメントの確立を求めている。教科・科目構成では国語科における科目の再編、地理歴史科での「歴史総合」「地理総合」の新設、公民科での科目「公共」の新設、理数教科の新設等の見直しをしている。(3面に関連図表)


今回の改訂は9年ぶり。実施までの移行措置については今後決定される。  今回の改訂は子供たちが未来社会を切り拓(ひら)くための資質・能力を一層確実に育成するため、子供たちに求められる資質・能力とは何かを社会と共有し連携する「社会に開かれた教育課程」を重視することが特徴の一つ。  また知識・技能の習得と思考力、判断力、表現力等の育成のバランスを重視する現行の学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で、知識の理解の質をさらに高め、確かな学力を育成すること、加えて高校改革、大学改革、それをつなぐ大学入試改革を一体的に進める高大接続改革の中で実施される改訂という点が特徴となっている。  さらに主体的・対話的で深い学びの実現に関しては、特に生徒が各教科・科目等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう過程を重視した学習の充実が必要だとしている。  カリキュラム・マネジメントに関しては、学習の基盤となる資質・能力(言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等)や現代的諸課題に対応して求められる資質・能力の育成には、教科等横断的な学習を充実する必要があり、学校全体として、教育内容や時間の適切な配分、必要な人的・物的体制の確保等を通して、教育課程に基づく教育活動の質を向上させ、学習の効果の最大化を図る必要がある、としている。  また、今回の改訂で教育内容に関しては、言語能力の確実な育成、理数教育、伝統や文化に関する教育、道徳教育、外国語教育、職業教育の充実を図ることにしており、そのほか主権者教育、消費者教育、防災・安全教育等を充実。教科・科目に関しては、教科「国語科」で「現代の国語」「言語文化」「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の科目が新設され、うち「現代の国語」と「言語文化」が必履修科目となる。  また教科「地理歴史」には「地理総合」「地理探究」「歴史総合」「日本史探究」「世界史探究」の5科目が新設され、「地理総合」と「歴史総合」が必履修科目となる。  教科「家庭科」では現行の生活デザインの科目がなくなり、「家庭基礎」と「家庭総合」に整理される。教科「情報」は「情報T」「情報U」に整理され、「情報T」が必履修科目となる。「情報T」ではプログラミング、ネットワークやデータベースの基礎等の内容を必修化し、データサイエンス等に関する内容を大幅に充実することにしている。  部活動に関しては、学校教育活動として、教育課程との関連への留意、社会教育関係団体等との連携による持続可能な運営体制を求めている。

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