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記事2019年8月13日 2485号 (1面) 
令和元年度学校基本調査結果速報公表
私立学校生の割合増加  大学の学部、修士、博士課程で女子学生比率が上昇

文部科学省は8月8日、令和元年度学校基本調査の結果(速報値)を公表した。近年は学生や生徒等への修学支援措置の充実が行われていることから、私立学校の多くの学校種で私立学校生の全体に占める割合が上昇している。一方、高等教育機関への進学率は前年度より1・1ポイント上昇し82・6%と過去最高を記録、女子学生の割合が学部(45・4%)、修士課程(31・6%)、博士課程(33・8%)でそれぞれ過去最高の割合となった。学校全体に占める女性教員の割合(53・3%)と女性管理職の割合(29・0%)も過去最高を記録した。


 大学=大学の在学者数は前年度より9549人増えて291万8708人となった。学校数は前年度より4校増えて786校(国立86校、公立93校、私立607校)。増加した4校は全て私立大学。私立大学生の割合は前年度より0・1ポイント増えて73・8%。大学数の割合でも私立が0・1ポイント増えて77・2%となった。  大学(学部)卒業後は、大学院等への進学率が11・4%で前年度比0・4ポイント低下した。大学院等への進学率は平成22年度をピークに9年連続で低下している。  その一方で就職者の割合は平成22年度以降、連続で上昇、今年3月卒業者の就職率は前年度より0・9ポイント上昇し、78・0%となり、その中で正規の職員等となった割合は1・2ポイント上昇し75・3%を記録した。修士課程修了者の就職率(78・6%)、博士課程修了者の就職率(69・1%)はそれぞれ過去最高となった。  短期大学=学校数は私立309校、公立17校の計326校で、前年度比5校のマイナス。学生数も前年度から6027人減少し、公私を合わせた学生数は11万3008人。短大の今春の卒業生は5万2044人、そのうち就職者が82・2%、大学等への進学者が8・3%、進学準備中・就職準備中の者が6・3%などとなっている。  専修学校=専修学校の学校数は国公私立合計で3138校、うち私立は2942校。学生数は全体の96・3%を占める私立が63万5065人で、前年度と比べ7257人増えていた。  高等学校(全日制・定時制課程)=学校数は国公私立合わせて4887校。内訳は国立が15校、公立が3550校、私立が1322校。前年度と比べ国立は変わらず、公立は9校減少、私立は1校減少していた。また、10年前の平成21年度と今年度を比較すると、国立は1校減少、公立は296校減少、私立は1校増加という状況。生徒数は国公私立合わせて316万8262人。そのうち全日制課程の生徒数は308万6314人、定時制課程の生徒数は8万1948人。少子化傾向の続く中で10年前の平成21年度と比べ、全日制は5・4%の減少にとどまっているが、定時制課程の減少率は26・4%と大きい。私立高校の生徒数は102万7778人で、前年度と比べ1万4384人減少していた。こうした減少は中学校卒業者の減少の影響が大きく、減少率は私立より公立高校の方が大きい。私立高校のシェアは27・1%、私立高校生のシェアは32・4%。今年3月の高校卒業者数は105万1246人で前年度より5132人減っている。大学等進学率は前年度と同じ54・7%。専修学校(専門課程)進学率は前年度比0・4ポイント増の16・4%、就職率は同0・1ポイント増の17・7%だった。


 


中学卒業後の高校等進学率98・8%


◆高等学校(通信制課程)=学校数は253校。そのうち独立校が113校、併置校が140校。公立高校は78校、私立高校は175校。生徒数は全体で19万7779人、前年度より1万1277人(6・0%)増えた。私立高校の生徒数は14万1402人で、通信制高校生全体の71・5%を占めている。
 ◆中等教育学校=学校数は54校(国立4校、公立32校、私立18校)で、前年度より1校増えた。生徒数は1万6501人。  ◆中学校=学校数は1万222校、そのうち私立は781校で、前年度より3校増加した。平成21年度からの10年間の学校数の推移を見ると、私立が36校増加したのに対して、国立は5校、公立は673校それぞれ減少した。私立のシェアは学校数で7・6%、生徒数で7・4%となった。
 中学校卒業後の進路では、高校等進学者の割合が98・8%で前年度と同率だったが、通信制課程進学者を除くと高校等進学率は95・8%(前年度比0・5ポイント減)だった。就職率は全体の0・2%、専修学校高等課程進学率も0・2%だった。
 ◆小学校=小学校の学校数は国立が69校、公立が1万9432校、私立237校。前年度と比べて国立は1校、公立は159校減少、私立は6校増えた。国公私立を合わせた児童数は636万8545人で前年度比5万9322人の減少。その中にあって私立は402人児童数を増やしている。ただし私立小学校の小学校全体に占める学校数のシェアは1・2%、児童数のシェアも1・2%。
 ◆幼稚園=私立幼稚園の数は6538園で、前年度比150園の減少。私立幼稚園の園児数は97万2294人。前年度より4万3498人減少した。私立幼稚園児のシェアは84・9%。
 ◆幼保連携型認定こども園=幼稚園からの移行が続き、私立の園数は前年度比663園増の4534園となった。私立の園児数は61万152人で前年度より8万1269人増えた。私立の園児数の全体に占めるシェアは87・8%となり、前年度比0・3ポイント増。

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