こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2019年9月23日号二ュース >> VIEW

記事2019年9月23日 2488号 (1面) 
英語検定活用存続を文科大臣要望
日本私立中学高等学校連合会
“生徒の努力や思い無駄にしないで”
大学や試験実施団体への要請要望

令和2年度から実施される大学入学共通テストの「英語」4技能評価では、大学入試センターが認定した外部の民間検定試験が活用されるが、各大学がどの検定試験をどのように活用するか、また検定試験実施団体の具体的な実施方法や日程の全容がなかなか明らかにならず、生徒や学校の不安は解消されていないことから、日本私立中学高等学校連合会の吉田晋会長らは9月19日、文部科学省に萩生田光一・文部科学大臣を訪ね、これまで関係者の合意に基づいた方針に沿って生徒や高校は準備を進めてきていること、その上で「もしここで中断・延期することになれば、却って大きな混乱を招き、既に準備を進めている高校生は方向転換を余儀なくされ、新たな負担を強いることになる」と訴え、文科省は最終責任者として、大学や試験実施団体に、あらゆる方策と権限を駆使して、大学入試英語成績提供システムの円滑な実施を働きかけるべき」との要請を行った。中高連の文科大臣への要請は6月4日に続き2回目。  今回の要請では他に4項目の早急かつ確実な実施を求めている。具体的には、各大学には同システムの活用方法について遅くとも必ず9月中に公表するよう強く要請すること、試験実施団体に対しては、共通ID発行申し込み開始の11月1日よりも前に、それぞれの実施団体が確実に試験実施日や会場等の実施要領を公表するよう強く要請すること、日本英語検定協会については予約金を徴収するなど自己の収益を最優先としていると指摘し、実施団体の対応として相応しいとは思えないとして、予約申し込み期日の延長、予約金徴収の取り止めを強く要請すること、また各実施団体に対して試験実施運営上のトラブルによる再試験について無償により確実に実施するよう強く要請することを、文科省に要請している。  この問題を巡っては、全国高等学校長協会(萩原聡会長)が9月10日付、文科大臣に対する要望書で、大学入試として実施される検定試験としては、公正・公平の確保が依然として担保されていないなどを理由に、2020年4月からの英語4技能検定の延期・制度の見直しを求めている。今回の中高連の2度目の要望は、中学1年生から英語4技能試験の準備を進めてきた生徒の努力や思いを無駄にしてほしくない、多数決のような論理で教育制度を変えてほしくないとの強い危機感から行われたもの。萩生田大臣もそうして準備してきた生徒が不利益を被ることがないよう、大学側に働きかけたい旨の考えを明らかにした。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞