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記事2020年2月3日 2500号 (1面) 
中教審第124回総会開く
給特法施行スケジュール等報告

 中央教育審議会(会長=渡邉光一郎・第一生命ホールディングス株式会社代表取締役会長)は1月24日、文部科学省で第124回総会を開いた。「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)の改正の概要や施行のスケジュールなどが報告された。

 この日は萩生田光一大臣も出席し、あいさつの中で、学校における働き方改革に触れて「特効薬のない総力戦だ。昨年の臨時国会で成立した給特法の改正を契機とし、勤務時間管理の徹底など、あらゆる手段を尽くして取り組んでいく」と、改めて学校の働き方改革への強い決意を表明した。 

 この給特法の改正については丸山洋司・初等中等教育局長が制度の概要を説明した。

 給特法の改正の柱は2点。1点目は、1年単位の「変形労働時間制」を公立学校の教師に対して適用できるようにすること。これにより夏休み中などに休日をまとめ取りすること等が可能となる。これは令和3年4月1日からの施行。

 2点目が、教育職員の業務量の適切な管理等に関する指針を定めること。時間外の在校時間の上限(月45時間以内、年360時間以内等)を示したガイドラインを指針に格上げし、在校等時間の縮減を図る。令和2年4月1日からの施行。

 また、これまでのパブリックコメントや教育委員会からの要望事項などを踏まえて文科省が学校に求める業務の削減案が示された。教育条件の整備を求めた事項では、教職員定数の改善、外部人材の配置、ICT環境整備を、また思い切った削減や廃止の実施を求める事項では、部活動、教育課程、教員免許更新制、学校向け調査、学力学習状況調査を挙げ、削減を検討する、としている。

 総会ではこの他、中教審の新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会が策定した「論点取りまとめ」が報告された。

 同報告では個別最適化された学びの実現のために、教師を支援するツールとしてICT環境や先端技術が不可欠だとし、国公私立を問わず児童生徒1人1台のパソコン等整備の実現や、環境の整備の面からは学級担任制と教科担任制が効果的に実施された質の高い教育の実現等を求めている。

 総会の最後に渡邉会長が、「OECD各国に比べて日本はICTインフラや機器の活用で明確な後れを取っている。自治体間や学校間では格差が生じており、大きな問題だ」と強い危機意識を明らかにした。
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