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記事2020年5月3日 2509号 (1面) 
文部科学省、登校再開時の留意点などを通知
学級のグループ分けなど工夫求める
教科指導ではリスク例示


 文部科学省は5月1日、各都道府県の教育委員会教育長や知事等に対して、「新型コロナウイルス感染症対策としての学校の臨時休業に係る学校運営上の工夫」について初等中等教育局長名で通知した。通知では小・中学校の最終学年等を優先した休業中の登校日の設定、その際の身体的距離の確保、各教科等の指導における感染症対策、出欠の取り扱い、人的体制の確保等の方針を示している。


 今回の通知は、同省の学校における新型コロナウイルス感染症対策に関する懇談会が5月1日にまとめた「新型コロナウイルス感染症対策の現状を踏まえた学校教育活動に関する提言」を踏まえ、同省の3月24日付の学校再開ガイドラインと4月17日の改訂版を補足するもの。


 通知では、懇談会の、学校における感染およびその拡大のリスクを可能な限り低減しつつ段階的に実施可能な教育活動を開始し、その評価をしながら再開に向けての取り組みを進めていくという考えが重要との提言を引用して、小学校6年生、中学校3年生を優先して分散登校を行う日を設け、段階的に学校教育活動を再開し、全ての児童生徒が学校で教育を受けられるようにしていくことが重要と指摘。


 登校の際は学級を複数のグループに分け、使用しない教室を活用するなどして児童生徒の席間に可能な限り距離を確保(おおむね1〜2メートル)、対面を取らないような形で教育活動を行うことが望ましいとしている。


 また児童生徒数の多い学校にあっては身体的距離を確保するため、時間帯、日によって登校する学年、学級を順次変える、学級を複数のグループに分けた上で、登校の対象とするグループを順次変えるなどの工夫が考えられる、としている。


 教科指導に関しては、感染症対策を講じてもなお感染の可能性が高い音楽科における狭い空間、密閉状態での歌唱指導、家庭科、技術・家庭科における調理等実習、体育科等における児童生徒が密集する運動、児童生徒が密集して長時間活動するグループ学習、運動会や文化祭、学習発表会、修学旅行等の行事は行わないこと、としている。


 さらに学校給食では、配膳の過程での感染防止のため、可能な限り品数の少ない献立、簡易な給食(パン・牛乳)、学校図書館に関しては感染症対策を徹底した上での貸し出し等が望ましい、としており、教職員の出勤については、土曜日の授業、家庭学習支援への対応、登下校の安全管理など通常時とは異なる業務の発生も考慮した人的体制を確保する必要があるとして勤務日や勤務時間の適切な割り振り、外部人材の活用等を求めている。


 この外部人材の確保に関しては、同省が私立高等学校等経常費助成費補助金(教育改革推進特別経費)「教育の質の向上を図る学校支援経費」による補助を各都道府県に行っていることも紹介、同補助金の活用を検討されたい、としている。


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