金沢工業大学
「バスどこシステム」リニューアルで利便性向上
Bus Stopプロジェクト最適なシステムの完成目指す
金沢工業大学(石川県野々市市)の「Bus Stop プロジェクト」は野々市市を運行しているコミュニティバス「のっティ」、シャトルバス「のんキー」の現在位置が分かる「バスどこシステム」のWeb版とアンドロイドアプリ版をリニューアルし、8月28日にリリースした。
「バスどこシステム」はコミュニティバス「のっティ」やシャトルバス「のんキー」の車両にGPS機器を設置し、LoRa(IoT〈Internet of Things、モノのインターネット〉向けの通信ネットワークに用いられている無線通信方式の一つ)、4G回線でサーバーに送られた位置情報をWebアプリケーションに表示するもので、スマートフォンやタブレット、PC等の端末で、バスの現在位置をリアルタイムで確認できる。
今回のリニューアルでは、これまでの混雑度表示に加え、現在の運行状況(運行停止や大幅な遅れ等)をバナーで表示し、状況をリアルタイムで確認できるようにした。
また、お知らせ一覧画面も追加し、システムの不具合状況や修正、運行に関するお知らせ等の掲載と履歴の閲覧を可能にした。
さらに、野々市市の主要施設(病院、図書館、市役所、高校、大学、投票所)に加え、観光物産協会に加盟している飲食店の紹介画面(現在、施設や店舗を合わせて39カ所)も追加。野々市市在住者にとどまらず、転居(予定)者や訪問客、観光客の利便性向上と、野々市市の魅力発信につなげている。
同プロジェクトは同大学の特色ある課外活動の一つで、情報工学科3年の市村凌久さんをリーダーとして、33人がメンバーとなっている。
「ICTを活用したコミュニティバス等の情報発信」活動は、野々市市との連携事業ならびに、公益社団法人大学コンソーシアム石川が主催する事業の一つである「令和5年度 地域課題研究ゼミナール支援事業」に継続採択されており、同プロジェクトでは、野々市市のコミュニティバス「のっティ」の現在位置が分かる「バスどこシステム」を開発し、野々市市の協力を得て2018年5月1日から実証実験を行っている。
2021年度には、6月25日に野々市市協力の下、ののいちバス㈱が運営するシャトルバス「のんキー」へも「バスどこシステム」を適用し、実証実験の範囲を拡大した。同年10月25日には、野々市市民の要望に基づき、主要施設の場所を表示し、最寄りのバス停との位置関係が一目で分かるよう更新した。2022年3月31日には、コミュニティバス「のっティ」のルートの中で、利用客が多い「西部ルート」において、スマートフォンやパソコンから、リアルタイムでバスの混雑度が確認できるようにした。現在は「中央ルート」にも展開し、二つの路線で運用中で、今後、他ルートにも展開を予定している。
2022年度は、7月15日にWeb版に加え、アンドロイドアプリ版をリリースし、利用者の拡大を図った。現在、iPhone等のiOS版のアプリを開発している。
同プロジェクトでは今後も、利用者や関係者の声を聴きながら、これまでと同じように次々と新しいサービスの提供に取り組み、「バスどこシステム」の認知拡大を図るとともに、さらなる利便性や効率性を高めた最適なシステムの完成を目指していく。
「全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスの提供」は「SDGs11:住み続けられるまちづくりを」のターゲットの一つとなっており、今後も「住み続けたいののいち」実現に向けて、官学連携で貢献していく考え。
リニューアルしたWeb版はURL:https://nottydoko-demo.sodeproject.comにて確認・利用できる。