東京都市大学の取り組み
恵泉女学園で「リケジョ応援プログラム」開催
エボニックジャパンが化学の魅力伝える
東京都市大学(東京都世田谷区)とエボニックジャパン㈱(東京都新宿区)は10月17日、恵泉女学園中学・高等学校(東京都世田谷区)で「リケジョ応援プログラム」を開催した。
同イベントは、理系学部への進学を検討している女子中高生を対象に、理系学部を選択した女性が実際に企業でどのように働いているか、その具体的な姿を紹介し、進路選択の一助とすることを目的として、東京都市大学のダイバーシティ推進室が2019年から進めている取り組み。
エボニックは、100カ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの一つ。2022年度は、185億ユーロの売り上げ、24・9億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上した。革新的で収益性の高い持続可能なソリューションを顧客に提案するために、化学のその先を目指し、「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的の下、3万4千人以上の社員が働いている。
世界経済をけん引し、イノベーションの宝庫であるアジア・パシフィック・リージョンでは、さらなるビジネスの成長を目指しており、2022年度は、37・8億ユーロの売り上げを計上し、50以上の製造拠点で5200人以上の社員が働いている。
日本におけるエボニックグループでは、社会貢献活動の一環として、2007年から主に小学生を対象とした化学実験ショーを各地で開催しており、これまでに4千人を超える子供たちに化学の魅力を伝えてきた。
近年、人材のダイバーシティがますます重要視されてきているものの、日本の化学業界では、まだ男性社員の割合が圧倒的に多いという現状がある中、今回のイベントは実施された。
講座では、同社の製品(シリカ、界面活性剤)を使った四つの実験を行い、女子中高生にとっても身近な化粧品や食品、文房具などにも応用される化学技術を紹介した。
その後の仕事紹介のセッションでは、飼料添加剤の技術営業職、塗料添加剤の技術職、ヘルスケア製品の品質・薬事などに携わる女性社員5人から、それぞれの所属部署の取り組みと、進路選択の理由や、これまでのキャリアを紹介した。
さらに、理系の中でも化学を選択する魅力として、化学業界は、新しい技術や製品の開発において中心的な役割を果たしており、社会全体にとっても非常に価値のあることを生徒たちに伝えた。
同社オイルアディティブス部の本間美穂部長は「これからの社会において、さらなる女性の活躍は必要不可欠。一言で理系と言ってもさまざまな選択肢があり、エボニックにおけるリケジョ社員のキャリアも多様だ。本プログラムを通じ、化学の楽しさと共に、私たちの経験を若い世代にシェアすることで、進路選択の力添えができたことをうれしく思う」とコメントしている。