第10回高等教育の在り方WGを開催
スクール・ミッション、スクール・ポリシー
1教委、3高校の実践聴取
中央教育審議会初等中等教育分科会・個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会の高等学校教育の在り方ワーキンググループ(主査=荒瀬克己・独立行政法人教職員支援機構理事長、以下WGと表記)は1月23日、文部科学省内等で第10回会議を開催した。
この日の議題は、スクール・ミッション、スクール・ポリシーの策定・運用について。岡山県教育委員会、北海道大樹高等学校、岐阜県立岐阜北高等学校、京都府立清新高等学校がオンラインで参加し、それぞれスクール・ミッション等をどのように策定、運用しているかなどを発表、その後、WG委員との質疑応答が行われた。スクール・ミッション、スクール・ポリシーは、中教審が令和3年1月26日にまとめた答申「令和の日本型学校教育の構築を目指して」で打ち出したもので、スクール・ミッションは各学校の存在意義や期待されている社会的役割、目指すべき学校像を明確化、再定義すること。またスクール・ポリシーは、高校、課程、学科ごとの、育成を目指す資質・能力に関する方針、教育課程の編成・実施の方針、入学者の受け入れ方針のこと。公表が必要とされている。今回の発表者はいずれも公立高校関係者のため、県や県教委の方針等が反映しているが、所在する自治体の意向や生徒、保護者等の意向も考慮してスクール・ポリシーが作成されており、岐阜県立岐阜北高校ではスクール・ポリシーの見直しの一つとして校則(制服)の見直しが行われている。また地域や外部機関との積極的な連携と協働が重要視されており、その一方で、教職員が異動しても持続可能な仕組みづくりや働き方改革に逆行しないことや、必要な予算を確保すること、学校間の取り組みに差があることなどが課題として指摘されていた。私立学校ではどの学校にも創設時から建学の精神があり、その理念を実現するため、日々の授業や行事などが展開されている。
この日は、発表がメインのため、意見交換の時間は限られていたが、同WGの委員からは、「多くの学校が進学校を目指してしまうのではないか」「教員の異動の在り方に意見はあるか」などの意見が出され、高校側からは、「学校に合った、その学校で学びたいと考えている生徒を取りたいと考えている」「大学受験だけを目指すのは違うだろうと、(学校の目指す方向性を)学校の中で話し合っている」など意見が出された。