駒澤大学の取り組み

3月1日から学生が企画・開発したノート先行販売

好きなものや言葉で自分だけの辞書を創る

駒澤大学(東京都世田谷区)経営学部・菅野佐織教授のゼミ生らは、大阪書籍印刷㈱(大阪府大阪市)と共同で辞書式ノート「Jishoru(じしょる)」を開発し、ECサイト「Makuake」で3月1日から先行販売している。

同ノートは好きなものや言葉、日常の出来事などを五十音順で記録し、自分だけの辞書を創り上げていくことが可能で、日記、記録、推し活などとして多様な使い方、楽しみ方ができる。

同ノートが生まれたきっかけは、実際に商品化を目指す大学ゼミ対抗のインターカレッジ「Sカレ(student innovation college)2022」。31大学36ゼミ531人の3年生がゼミ対抗で8テーマの商品企画をFacebookで公開し、「いいね!」で支持を集め、コメントで改善し、発売を目指した。10月にオンライン開催の審査会「秋カン」でコンセプトを競い、12月の審査会「冬カン」で商品化権を最終プランで競い合った。

「Sカレ2022」の参加企業だった同社が提示したテーマ「未来が描けるノートづくり」に対して、同大学の学生が「多くの人に書くことを長く楽しんでほしい」という「想い」で生み出したのが、「自分の好きなものだけで辞書をつくるノート」だった。

学生らは文房具店や文房具の専門家からの聞き取り調査、文房具のイベントへの参加などで入念な市場調査を行い、全く新しいノートを生み出した。一方で、今までにないものだからこそ、消費者に受け入れられるかどうかが懸念点となった。 

そこで、同大学の学園祭で学生や一般の来場者を対象に、プロトタイプに実際に書き込んでもらい、反応を調査した。100人を超える協力があった中で、多くの人が書いているうちに笑顔になり、筆が進んだ様子から、書くことを楽しんでもらえるノートだという確信を得た。

こうした試行錯誤の後、「Sカレ2022」の本番で同社に評価され、商品化が決定した。

商品化決定後も、辞書式ノートという新しいノートを、いかに多くの人に、かつ魅力的に伝えるかということを主な課題として、入念にブラッシュアップを実施した。辞書らしさを演出しつつ、一方で堅くならないようにコンセプトやデザインを練った。

開発期間中に企業と行った打ち合わせは20回近くに上り、コンセプトやデザインだけでなく、紙の質や描きやすさ、帯など、細部まで納得できる仕上がりとなった。

同ノートの商品化に至るまで、ゼミ内でチームを組んでから約2年の歳月を費やした。自分の好きなものを思い浮かべ、それを記し、集め、見返すことで温かい気持ちになるという、同ノートでしか味わうことができない筆記体験を提供できる商品になっているという。

1冊1980円(税込み)。サイズはB6変形で、文庫本に近いサイズになっており、本棚に並べても違和感がなく、かばんにも収まりやすい。

表紙のカラーバリエーションは学生がこだわった「自分らしさを大事にしたい」という思いから、全6色(イエロー、オレンジ、グリーン、ネイビー、ホワイト、ピンク)。

先行販売は4月15日までで、「Makuake割」(期間中適用)や早割(先着限定)、パック価格を設定している。

詳細はプロジェクトページ(https://www.makuake.com/project/jishoru/)まで。