国立音楽大学の取り組み 

2026年の創立100周年に向けて記念事業を開始 

音楽の力を未来へつなぎ新たな価値創造 

国立音楽大学(東京都立川市)は、2026(令和8)年に創立100周年を迎えるに当たり、2024(令和6)年度から開始する記念事業と創立100周年記念ロゴを発表し、特設サイトを開設した。

学校法人国立音楽大学は、1926(大正15)年に創立された東京高等音楽学院を前身とし、附属幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、大学院を有する日本で唯一の私立音楽大学として発展を遂げた。創立時から息づいている「自由、自主、自律の精神」は、良識ある音楽家、教育家の育成と、国内外の文化の発展に寄与するための礎であり、これまで築いてきた100年の歴史と伝統を継承し、創造性に満ちた次の100年を歩むために欠かせない理念となっている。

同大学では、いかなるときも協創の教育文化や多様性を尊重してきた確かな基盤を支えに、これから始まる「新世紀」に向けて、日本と世界の音楽文化のトップランナーとして飛躍することを目指していく考え。次代に生きる同大学の姿を広く社会に伝えるため、2024年度から2026年度までの3年間、「くにおん新世紀」を記念事業のコンセプトとして、演奏・創作、イベント、出版、研究という四つの事業を柱に活動を展開する。

100年の長きにわたり培われてきた「くにおん」の総力を尽くし、共に歩み育ててきた人々とのアンサンブルによって、音楽の力を未来へとつなぎ、新たな価値を創造する使命に挑んでいくとしている。

記念事業のうち、演奏・創作事業では、オペラや交響曲をはじめ、声楽曲や器楽曲を中心とした伝統的な西洋音楽に加え、ジャズ、現代音楽、コンピューター音楽、日本伝統音楽等のあらゆる分野で活躍する人材を育成する同大学の多様な教育・研究の成果を伝え、卒業生や地域住民と共に奏でるハーモニーによって、世界の音楽文化振興に資する演奏・創作活動を展開する。

イベント事業については、次代を担う音楽家、教育家の育成のみならず、音楽とテクノロジーの融合の探究や、デジタルメディアを生かした新しい表現や演出への挑戦で多彩な音楽文化を発信していく。

出版事業では、100年の歴史と伝統をひもとき、同大学が誇る音楽の一貫教育と、それに立脚した研究成果を広く社会へ発信し、未来に向けたコンテンツによって同大学の目指すビジョンを示す活動を展開する。

研究事業については、日本の音楽研究の中核を担う同大学附属図書館と楽器学資料館によって、おのおののコレクションを生かした研究成果を公表し、世界に向けて情報の発信を行う。

創立100周年記念ロゴは、創立100周年記念のステートメントである「くにおん新世紀」をイメージしたビジュアルロゴ、サウンドロゴを公募して決定した。

公募は2023(令和5)年9月から11月にかけて、附属幼稚園から大学院までの在園生、在校生、在学生、教職員、卒業生を対象に行い、多数の応募があった。同大学の学長をはじめとする教員による審査の結果、ビジュアルロゴは同大学卒業生の作品、サウンドロゴは同大学大学院音楽研究科修士課程の在学生(当時)の作品が選ばれた。

サウンドロゴでは、附属幼稚園の年少組の園児たちも「くにおん」の掛け声に協力している。子供たちが発するみずみずしいエネルギーが「くにおん新世紀」のテーマをより引き立てている。

また、ビジュアルロゴとサウンドロゴを融合したモーションロゴも制作。ビジュアルロゴを手掛けた卒業生による作品で、「新世紀」にふさわしく音と融合した躍動感あふれるアニメーションになっている。