多摩大学の取り組み 

親子で学べる防災フェスにゲームなど出展 

防災拠点化に向けた取り組み紹介 

多摩大学(東京都多摩市)経営情報学部の樋笠尭士ゼミは3月24日、京王聖蹟桜ケ丘ショッピングセンター(同)で開催された「親子で楽しく、まなぶ 防災フェス」に、防災関連のボードゲーム「防災サバイバル 広域思考ゲーム」と、VR(仮想現実)空間で心臓救命装置の設置場所を探す「メタバース多摩大でAEDを探せ」を出展した。当日は、子供連れの家族ら150人を超える人がゲームに参加した。   

「親子で楽しく、まなぶ 防災フェス」は、東日本大震災や能登半島の地震などの災害を誰もが目の当たりにしたことで、防災について学ぶ需要が高くなっていることから、体と頭を動かして、親子で楽しく多摩市の防災対策を学ぶことができる体験型イベントとして企画された。   

樋笠ゼミ生が考案した「防災サバイバル 広域思考ゲーム」は災害から人々を守ることを目標にしたオリジナルのボードゲームで、プレーヤーは各種の災害に対処しながら災害に対する知識を深め、防災意識を高めることができる。   

また、同学部の彩藤ひろみ教授とゼミ生の支援を得て作成した「メタバース多摩大でAEDを探せ」はパソコンを利用して同大学構内をVR空間化し、同大学構内に設置したAED(心臓救命装置)をマップを片手に探すことで設置場所を認識させるゲームとなっている。

ゲーム参加者は、身近な防災に関するクイズに親子そろって頭を悩ますなど、真剣に取り組んでいた。参加者には、身近な防災関連知識をまとめた防災学習の小冊子を配付するなど、家庭でもゲームの復習を行うことができるように工夫した。   

会場内では、同大学多摩キャンパス開学35周年記念事業「多摩大学防災拠点への取り組み~地域に密着する大学としての役割~」のパネル展示を行い、寺島実郎学長のメッセージや、多摩市との指定緊急避難場所の連携協定の内容など、防災拠点化への取り組みを紹介した。

さらに、地域防災関連の調査研究資料として、インターゼミ(寺島学長直轄の社会工学研究会)多摩学班による論文や、防災とレジリエンスについて文化人類学の知見が盛り込まれている、同大学グローバルスタディーズ学部の堂下恵教授、田中孝枝准教授の共著「文化遺産と防災のレッスン」(2022年、新曜社)なども展示し、全学で防災拠点化構想の実装に向き合っている同大学を、来場した多くの市民が実感することができる機会とした。