環太平洋大学の取り組み

サッカー部有志が能登半島地震被災地支援

地域復興後押しする活動の重要性学ぶ

環太平洋大学(IPU、岡山県岡山市)のサッカー部有志19人は8月、岡山県岡山市に所在する国際医療ボランティア団体である特定非営利活動法人AMDA(アムダ)が主催する能登半島地震の被災地支援活動に参加した。支援活動に参加した学生は輪島中学校(石川県輪島市)で、被災後に避難所として利用されていた教室の清掃や、校舎の原状復帰作業に加え、輪島中学校のサッカー部との交流試合を実施した。また、9月4日には同大学で報告会を行った。

AMDAは岡山市を拠点に、世界各地に支部を持ち、災害や紛争が発生した際には多国籍医師団を結成し、国連機関や現地の医療機関・教育機関などとも協力しながら、支援活動を行っている。

今年1月1日に発生した能登半島地震でも、医療支援を中心とした活動を実施。当初は生徒が親元を離れて白山市へ集団避難する状況が続いた輪島中学校へも訪問を重ねてきた。

同大学とAMDAは6月6日、地域社会への貢献と人材育成に加え、国内外の災害復興支援、防災訓練、避難所運営シミュレーションなどを共同で実施することを目的として、包括連携協定を締結した。同大学の教育力と、AMDAの豊富な支援活動経験という両機関の強みを生かした活動に期待が集まっていた。

今回、能登半島地震の被災地支援活動に参加した学生は、現地でがれきの山や、傷ついた街並みを目の当たりにし、言葉にできないほどの衝撃を受けたものの、中学生とのサッカー交流や、輪島中学校の先生・生徒らの温かい笑顔と「ありがとう」という言葉に、支援活動の意義を感じていた。

被災地支援活動に参加した学生は被災地の人々に勇気を与え、地域全体の復興を後押しする活動の重要性を学んだ。9月4日に同大学非認知能力開発校舎DISCOVERY1階で行われた報告会には代表学生2人が登壇した。

被災地支援活動に参加した学生からは「西日本豪雨の際、復興支援に尽力していた県外ボランティアの姿を思い出し、自分も力になりたいと思った」「被災地の現状を見て、胸がえぐられる思いをした」「サッカーを通して、地元の中学生と交流し、笑顔を見られたことが何よりうれしい」「自分たちの能力を生かして社会に貢献する喜びと責任を感じた」「社会人になってもボランティア活動を続けたい」といった声が寄せられた。

同大学とAMDAは今後も国内外での各種の支援活動や地域での防災訓練などで連携を図っていく。