日私学保連が令和6年度総会・研修会開催

令和6年度の事業計画等決定

新会長に東京の鹿濱氏就任

日本私立小学校中学校高等学校保護者会連合会(略称:日私学保連)は7月18・19の2日間、静岡市内のホテル等で、「今こそ私学から発信~教育が未来を拓く~」をテーマに、令和6年度総会・研修会を開催した。協力は静岡県私学保護者会、中部地区各県私立学校保護者会連合会。

今年の総会・研修会には47都道府県の保護者会連合会の代表者と都道府県私学協会の事務局長等(オブザーバー)合わせて約130人が出席。令和6年度の事業計画等を決めるとともに、任期満了に伴う新執行部の選任を行い、令和6・7年度の新会長に鹿濱德雄氏(東京都私立中学高等学校父母の会中央連合会会長)が選任された。

初日の開会式では、今年の総会で任期満了となる門傳英慈会長の挨拶、静岡県私学保護者会の長岡重弘会長の歓迎の挨拶の後、文部科学省を代表して、浅野敦行・高等教育局私学部長が盛山正仁・文部科学大臣(当時)の祝辞を代読、続いて岸田文雄・自由民主党総裁(当時)の祝辞を日私学保連の髙島篤副会長が代読した。その後、地元の増井浩二・静岡県副知事、落合愼悟・静岡県議会議長が祝辞を述べ、吉田晋・日本私立中学高等学校連合会会長が私学振興運動における保護者の協力に感謝と期待をしているとの祝辞を述べた。

続いて都道府県私学保護者会活動の功労者38名と日私学保連の役員を務めた特別功労者11名が功労者として表彰され、被表彰者を代表して東原相次郎・日私学保連副会長に門傳会長から表彰状等が手渡された。

開会式の後、議案の審議が行われ、(1)令和5年度事業報告案、(2)同決算報告案・同監査報告、(3)令和6年度事業計画案、(4)同予算案が提案され、いずれも原案通り承認された。令和6年度事業計画は前年度を踏襲して、関係団体と緊密に連携して私立学校振興対策を展開するほか、青少年育成事業、広報・啓発活動、会議の開催等を行う。

私立学校振興対策に関しては、今年11月6日に日本私立中学高等学校連合会と連携して都内の文京シビックホールで「私学振興全国大会」を開催、青少年育成事業に関しては、11月15日にアルカディア市ヶ谷・私学会館で青少年育成研修会を開催する。議案(5)の新役員の選任では、各都道府県団体から選出された理事による理事会で選出された副会長候補者9人、会長候補者1人、監事候補者2人について審議され、これら新役員案は満場一致で承認された。

議案(6)は今後の総会・研修会等の開催について、令和7年度は、日私学保連が創設20周年となるため、8月8日に都内のホテルで総会、記念式典、記念祝賀会を開催する予定。また令和7年度青少年育成研修会は京都府で開催の予定。

最後に私学助成や修学支援制度の拡充等を求めた決議を採択し、令和6年度総会を締め括った。

その後、中高連の吉田会長が「私立学校を巡る公費負担等の動向について」と題し講演(講演Ⅰ)、コロナ禍によりICTを活用した教育が一気に進み、広域通信制高校が増加しているが、私立高校等では社会性を身に付けることが重要なこと、就学支援金に関しては自治体間で大きな違いが生じており、また保護者への支援は充実してきているが、学校は経常費補助が充実しないと経営が苦しい状況になることなどを説明した。

続いて地元私立高校による活動発表が行われ、2001年に静岡市の城南静岡高等学校が開始した高校生が地元企業等と協力して運営するオンラインショッピングモール「まなびや」を通じての授業等を、同サイトを運営する高校生自らが説明した。初日夕刻からの交流会には塩谷立・衆議院議員と有村治子・参議院議員が出席した。2日目は、歴史学者の小和田哲男・静岡大学名誉教授が「今川・徳川の歴史と現代の静岡」と題して講演(講演Ⅱ)、続いて日私学保連の山本千曲副会長が総会・研修会を総括、閉会となった。その後、希望者による臨地研修が行われ、国宝・久能山東照宮を見学した。