常翔啓光学園中高校の取り組み

高校生が枚方の歴史・文化の魅力向上へ

老舗味噌店との連携で新特産品を開発

常翔啓光学園中学校・高等学校(大阪府枚方市)は9月2日、文化祭「啓光祭」で、高校生10人による探究学習の一環として、老舗味噌店の北村みそ本家(同)との連携によって開発した甘酒を使ったノンアルコールシェイク「しぇしぇしぇいく」を限定販売した。

枚方宿は東海道56番目の宿場町として、歴史的な景観を残しており、多くの観光客でにぎわう枚方を代表する観光エリアとなっているものの、人通りは年々減少してきている。同校の高校生10人は、この課題に向き合い、探究学習の一環で、枚方の誇る歴史・文化の魅力向上を目的としたプロジェクトをスタートさせた。

今年4月に、枚方宿沿いに店舗を構え、地域の家庭の味を支えてきた北村みそ本家を訪ねた。同店は明治16(1883)年に大阪天満で創業し、大正10(1921)年に枚方に工場を設立。戦後、枚方で営業を続けている。国産原材料のみを使用し、毎年最良の味噌を作ることを目指している。時代に応じて味噌作りの工夫を変え、全国や海外からも注文を受けており、手軽に使える味噌製品の開発や新しい取り組みにも力を入れている。

高校生10人は同店を訪問した後、同店が販売していた甘酒シェイクをベースに、味、パッケージ、ネーミング、マーケティング戦略を考案した。

商品名は、幅広い世代に気軽に手にとってもらえるように、覚えやすいキャッチーなネーミングを意識し、「しぇしぇしぇいく」とした。

「飲む点滴」と呼ばれ、疲労回復や免疫力アップなど、さまざまな効果が知られる甘酒を冷たいシェイクにして、甘酒の風味を損なわず、果物のフレーバーを加え、さらに飲みやすくした。麹由来の自然な甘みで砂糖を使用せず、美容、ダイエットにも効果的で、夏バテ対策にも最適な健康ドリンクになっている。

「啓光祭」では、枚方宿の新しい特産品として、高校3年生の「学園内大学進学クラス」模擬店で数量限定販売を行った。パインフレーバーは100個が完売し、いちごフレーバーは400個中330個を販売。多くの来場者が同ドリンクを購入し、好評だった。

また、毎月第2日曜日に枚方宿の歴史街道で開催している手作り市「枚方くらわんか五六市」での販売も検討しており、今後は、ふるさと納税の返礼品として、北村みそ本家と新たな商品を開発し、他府県にも枚方の魅力をアピールしていくことも考えている。