全私学連合等盛山科大臣を表敬訪問

岸田新内閣の発足受けて

文科省政務3役を表敬訪問

第2次岸田第2次改造内閣の発足を受けて、文部科学省の政務三役が揃って交代したのを受けて、全私学連合(田中愛治代表=早稲田大学総長)は10月3日、文部科学省の盛山正仁大臣、青山周平副大臣、安江伸夫大臣政務官を表敬訪問した。

盛山大臣等を訪ねたのは田中代表(日本私立大学団体連合会会長)のほか、私大団体連の小原芳明副会長(日本私立大学協会会長、玉川大学理事長・学長)、日本私立短期大学協会の関口修会長(郡山女子大学短期大学部理事長・学長)、日本私立中学高等学校連合会の吉田晋会長(富士見丘中学高等学校理事長・校長)、日本私立小学校連合会の重永睦夫会長(東京都市大学グループ学校法人五島育英会評議員)、全日本私立幼稚園連合会の田中雅道会長(光明幼稚園理事長)の6人と、日本私立学校振興・共済事業団の福原紀彦理事長。

このうち盛山大臣とは15分程度、私学教育を取り巻く現状等について懇談する機会があり、冒頭、田中代表は、文科省の主導でこれまでにない規模の私立学校法改正が行われ、衆参両院で全会一致、無修正で法案が成立したことに触れ、今後はガバナンスや透明性、公正性等に心を配っていく決意を改めて表明した。その後、小原副会長が地方の疲弊が続く中で地方の経済状況を踏まえた学修支援が必要と訴え、続いて日短協の関口会長が、短期大学は地方に多く、学生の大半は女性で、女性の持っている力は地方振興にとって不可欠なことから、各地に教育資源が行き渡るような配慮が要請された。

また日本私立中学高等学校連合会の吉田会長は、大阪府が進めている授業料無償化について、無償化自体は悪いことではないが、私立学校の建学の精神に基づく独自性、経営権を無視するような進め方、他県へ波及しようとしていることについては理解できない旨の考えを吐露。日本私立小学校連合会の重永会長は、私立小学校でも教員不足の状況にあることなどを説明した。全日本私立幼稚園連合会の田中会長は出生数の低下が続く中で教育を軸にしたところをどう残すかが国として一番大事で、いつの間にか親のことだけで子どもを抜きにした議論となっていることを反省して、改めて教育を論じていきたいと語った。私学事業団の福原理事長は私立学校の改革を支えていく考えを強調した。

こうした私学側の発言に盛山大臣は、各省が地域を支え、底上げしていくことを進める中で、文科省としては地方の学校をどう支えていくか考えていきたいと語ったが、同時に今のまま学校を残していくことは難しいとも語っており、私立学校の協力の重要性も指摘。大阪府の無償化策については、自治体ごとに独自性を出していい分野もあるが、教育や社会保障などについては全国一律にする必要性もあり、十分な議論の必要性に言及。また私学のガバナンスについては主体性を持って改革に取り組み、しっかりとした教育、経営をお願いしたい、と語った。