明星大学の取り組み

教職学協働へ「MEISEI HUB」開設

学びの機能集約し多様な体験可能に

明星大学(東京都日野市)は4月3日、教員・職員・学生の協働や連携を促進する場として「MEISEI HUB(ハブ)(多彩な学びの空間)」を開設した。「デジタルとリアルが出会う空間」として図書館内の2階フロアを整備し、誕生した同施設では、ボランティアやキャリア教育、卒業生との連携といった「明星大学ならでは」の多彩な学びを提供していく。

同施設のコンセプトは、これまでも備えていた図書館機能のほか、多彩な学びの機能を集約させ、多様な体験ができ、つながりと広がりを持ち、心が交差し「デジタルとリアルが出会う空間」とすること。同大学の学生・教職員・卒業生の学びと交流の場であり、さまざまなヒト・モノ・コトがリアル・バーチャルを問わずに集い、交流する姿が「見える・見られる」空間になっている。

フロア内には▷ランゲージ・ラウンジ▷フリースペース▷イベントスペース▷学びとキャリアエリアが設けられ、各エリアは学生や教職員、卒業生、学外の人たちが協働して新しい何かを生み出す場として機能する。

ランゲージ・ラウンジは国際教育センター所属教員や、全学共通科目である語学の担当教員と自由に交流できる場で、ゲームや音楽を楽しみながら英会話ができる点を特徴にしている。

フリースペースは学生たちから寄せられた声を基に実現したもので、自然素材や植物にこだわった「くつろげる空間」を創出した。学年や性別を問わず、豊かな緑と安らぎを感じることができる空間として活用される。

また、同エリアは現状を完成としておらず、時代に応じて変化・進化を重ね、学生たちの理想の居場所へと形を変えていくことになっている。

イベントスペースは白い壁に覆われ、壁にはビスや釘の打ち込みができる。天井の照明は蛍光灯のほかに、スポットライトを自由に付け替えることができる工夫を施し、「自由な展示」を可能にしており、学生たちが表現したい展示や、ステージ発表などを実現できる仕様になっている。

さらに、同エリアはプロジェクターと大型スクリーンを完備し、ステージへのバリアフリー経路としてスロープも設置されている。

学びとキャリアエリアは、大学として学生個々のキャリア構築に資する教育を展開していることを目に見える形で表すために設置した。明星教育センター、国際教育センター、ボランティアセンター、図書館やキャリアセンター等が連携して、教職学協働の学びや、理論と実践が往還する様をさまざまな方法で表現し、同大学らしい学びを追求していく。

同施設開設の背景には、学修者本位の教育への転換を目指し、2020年に掲げた「明星大学教育新構想」がある。同構想に基づいて、同大学独自の四つの学修の場の形成に取り組んでいる。

第1の学修の場は「さまざまな学生が集まり、それぞれの専門分野を掛け合わせて学んでいくクロッシングの場」、第2の学修の場は「学部学科での専門教育や資格取得など、各自が専門分野の学びを深めるセントラルな場」、第3の学修の場は「SDGsやDX(デジタル変革)、GX(脱炭素や気候変動対策などのグリーン変革)のような、時代が要請する最先端を学ぶ場」、第4の学修の場は「入学前教育やボランティア、キャリア教育、さらには卒業生との連携といった『明星大学ならでは』の学びの場」としている。

同施設は「第4の学修」を実現する場として開設。今後愛称を募集する予定になっている。